社会一般
鈴木 智之(著)
四六判 280ページ 並製 定価 3400円+税 ISBN978-4-7872-9285-8 C0095
書店発売予定日 2026年05月27日 登録日 2026年04月06日
柴崎友香の作品に魅了された文学社会学者が読み解く、物語の広がり、記憶や空間の交差、つながるものとつながらないもの。 『寝ても覚めても』『その街の今は』『わたしがいなかった街で』『千の扉』の4作品を取り上げ、人物や物語を精緻に読解する。また、作品に描かれた土地を実際に歩き、空間的な視点からテクストの情景を私たちの目の前に浮上させる。 私とあなた、昨日と今日、日常と戦場、現在と過去――。柴崎作品が偶発的なつながりから日常に潜む危うさや生きることの不安定さを描き、私たちに謎や問いをそっと提示する、その巧みな手つきや魅力を明らかにする。 柴崎が描く物語世界で様々なつながりは日常的な振る舞いのなかで生まれ、ときには偶発的に持続し、またときにはあっけなく消失する。そのつながりのもろさのはざまで懸命に生きる私たちの「生」のありようを浮き彫りにする文学評論。 [目次] 序 章 時空間をめぐる小説 第1章 親密と内密の隙間に差し込む光――『きょうのできごと』の時空間 第2章 顔と反復――『寝ても覚めても』における「磁場」の構成と遷移 第3章 知覚の瞬き――『寝ても覚めても』における光の点滅と世界の現れ 第4章 テレビ・戦争・住宅地――『わたしがいなかった街で』における「日常」の形 第5章 記憶の場所としての団地―――『千の扉』とその輻輳的時空間 第6章 歴史の地層、痕跡の露出、生活の履歴――『千の扉』とともに戸山ハイツを歩く 終 章 この離接的な世界で あとがき