芸術
潮田 文(著)
四六判 360ページ 並製 定価 3000円+税 ISBN978-4-7872-7421-2 C0072 在庫あり
書店発売日 2019年09月25日 登録日 2019年05月09日
盲人写真を導きの糸に、写真が表現するものとは何なのか、それは記録なのか、撮る者の意識なのか、という本質的な問いを自身の経験もふまえて考察する。加えて、「アレ・ブレ・ボケ」写真で衝撃を与えた中平卓馬をテコにして「見ることの政治性」を問い直す。
サブカルチャー雑誌の編集で一世を風靡して写真集も出版している著者が、ヴァルター・ベンヤミン、モーリス・メルロ=ポンティ、ロラン・バルトらの思索をたどり、雑誌や小説なども縦横に読み込んで、写真とそれを見ることの関係を解きほぐす。 そして、「盲人写真」を導きの糸に、写真が表現するものとは何なのか、それは記録なのか、撮る者の意識なのか、という本質的な問いを自身の経験もふまえて考察する。加えて、「アレ・ブレ・ボケ」写真で衝撃を与えた中平卓馬をテコに「見ることの政治性」を問い直し、3・11後の写真と社会をおおう空気を読み解く。 哲学的な思考から思考へと軽やかに跳躍し、写真と見ることの迷宮に分け入る写真批評。
はじめに Ⅰ 写真と哲学――外の発見 1 夢の鏡 2 始源への問い 3 視覚の謎 4 〈それは=かつて=あった〉 Ⅱ 写真私史――あるパラダイス 1 風に吹かれて 2 コンポラ写真と私 3 暗箱のパラダイス Ⅲ 戦後民主主義と写真 1 なぜ、中平卓馬か 2 木村伊兵衛と東松照明 3 日本的「愛のドラマ」 Ⅳ ベンヤミン読解 1 アウラの変容 2 仮象から遊戯へ 3 「言語一般および人間の言語について」読解 4 付・シネマトグラフの研究 あとがき
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