写真叢書
一柳 廣孝(編著)
四六判 258ページ 上製 定価 2000円+税 ISBN978-4-7872-7187-7 C0372 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2004年08月 書店発売日 2004年08月20日 登録日 2010年02月18日
複製技術の向上で容易に「作成」できることが知られているにもかかわらず、私たちを引きつける心霊写真──。鬱屈した無意識の心性を映す「鏡」としての心霊写真に、社会学や心理学、文学、現代風俗、口承文芸などの多様な領域からアプローチする。
はじめに──「心霊写真」という問題系 一柳廣孝 第1章 写真論としての心霊写真論──心霊写真の正しい憑かせ方 前川 修 1 写真論に憑依する心霊写真──心霊写真はなぜ祓われるのか 2 写真行為は心霊写真的行為である──幽体離脱としての写真行為 3 心霊写真の系譜──古典的心霊写真 4 心霊写真の「真正さ」の意味するもの──心霊写真の怖さ 5 現代・心霊・写真考──ポストモダンの心霊写真? 6 むすびにかえて──写真の死と心霊としての写真 第2章 ヴァナキュラー・モダニズムとしての心霊写真 長谷正人 1 ポストモダン的な心霊写真ゲーム 2 追悼としての心霊写真 3 ヴァナキュラー・モダニズムとしての心霊写真 第3章 心霊写真を信じる心への心理学的アプローチ 小泉晋一 1 心理学と心霊写真 2 心霊写真の見取り図 3 なぜ心霊写真を信じるのか 第4章 心霊写真の発生 奥山文幸 1 連載小説「写真」 2 霊の〈同定〉 3 世界初の心霊写真 4 日本心霊文学の先がけ──浅野馮虚「おぼろ影」 5 信じられる心霊写真──三宅青軒『幽霊の写真』 6 科学による「解放」 第5章 回帰する恐怖──『リング』あるいは心霊映像の増殖 吉田司雄 1 一九八九年──『リング』の胎動 2 一九七三年──オカルトブームの始まり 3 一九一七年──福来友吉「観念は生物也」 4 一九八八年──『邪願霊』の出現 第6章 精神医療と心霊写真──霊や精神疾患は写真に写るか? 今泉寿明 1 一つの架空事例 2 憑依の解釈──精神疾患か、心霊現象か 3 霊能者への相談 4 心霊写真による簡易診断の不可能性 5 統合失調症について 6 精神疾患は写真に写るか? 7 事例その後 第7章 口承文化のなかの心霊写真 戸塚ひろみ 1 生成の過程へ 2 語られる写真/浮上する「怪異」 3 ある心霊写真の生成 4 海からの手というイメージ 第8章 「眉唾写真」の魅力──霊と宇宙人 小池壮彦 1 UFO vs 心霊──“眉唾写真”の王座をめぐって 2 幽霊へのまなざし──“鏡”から“写真”へ 3 IT時代の心霊写真──ネット上に幽霊は“実在”できるか
青弓社
品切れ・重版未定