森山 公夫(著)
四六判 240ページ 並製
定価 3400円+税
ISBN978-4-7872-3579-4 C0036
書店発売予定日 2026年09月10日 登録日 2026年07月21日
激しい発作や痙攣をともなう病理「てんかん」。太古から存在するこの病は、あるときは「神聖病」や「狐つき」などの超自然的な現象として崇拝され、あるときはその視覚的な恐ろしさから蔑視・差別されてもきた。古代には呪術や憑依として、初期・中期の医学の観点からは女性特有のヒステリーとして、そして近代医学では脳の電気的異常として――てんかんに対する認識は歴史上さまざまな形態をとってきた。
本書では、こうしたてんかんの診断史を丁寧に整理することから出発し、臨床的な知見もふまえながらより「人間学的」な検証をおこなっていく。そのときに着目するのが、上田秋成、南方熊楠、黒澤明、フローベール、ゴッホ、ドストエフスキーという、てんかんを患っていたとされる文学者・芸術家の伝記的事実の数々だ。
目に見える発作や痙攣として表出する医学的・生物学的な現象としてだけでは捉えきれない、より精神的・内面的なレベルでの「人間にとってのてんかん」という側面を、豊富な実例をもとに浮き彫りにする。てんかんを人類の文明史に位置づけなおし、その根源を人間学的に探求する稀有な試み。
【目次】
まえがき――「てんかんの人間学的探究」について 富田三樹生
第1章 てんかんの人間学的探求
1 その歴史の素描
2 現代とてんかん――てんかんとは何か
第2章 てんかん発作と自己組織性
1 てんかん発作の構造的展開
2 「情動てんかん」について
3 反射てんかん
4 「興奮がより強い興奮を呼ぶ」――情動における正のフィードバック作用
5 「自己組織性」とその精神疾患の病因論的意味
第3章 てんかんと解離の内的連関について
1 ヒステロエピレプシーから「偽発作」へ
2 ヒステリー(解離)とてんかんの症状の類同性について――両者の外的連関から
第4章 てんかんの病碩学(1)――上田秋成・南方熊楠・黒澤明のてんかんと創造性
1 上田秋成
2 南方熊楠
3 黒澤明
第5章 てんかんの病碩学(2)――フローベール・ゴッホ・ドストエフスキーのてんかんと創造性
1 ギュスターヴ・フローベール
2 フィンセント・ファン・ゴッホ
3 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
第6章 てんかん・解離結合群について
1 てんかんの具体像
2 解離について
3 解離の始原を追って――イム・「憑依わずらい」・ヒステリー
4 解離とてんかんの本質的同一性
5 三大精神病論の要点
終 章 「三大精神失調」の理念型形成――精神失調は人間的苦悩の極北的姿である
1 三大精神失調論の基礎づけ――三大幻想論(吉本隆明)とエディプス論
2 てんかん論の位置づけ――対幻想世界への固執
あとがき 屋宜盛秀
歴史修正主義とサブカルチャー書店発売日
田原俊彦論書店発売日
国道16号線スタディーズ書店発売日162-0801 東京都新宿区山吹町337
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