福島大学「むらの大学」(編) / 前川 直哉(編著) / 千葉 偉才也(編著) / 久保田 彩乃(編著) / 鈴木 敦己(編著)
A5判 276ページ 並製
定価 2400円+税
ISBN978-4-7872-3571-8 C0036
書店発売予定日 2026年03月30日 登録日 2026年02月05日
社会の風景を一変させた、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から15年。この15年という年月に、福島に暮らす人々はどのような思いを抱き、どのように過ごしてきたのか。一方で、福島の「外」にいる人々や当時の記憶があまりない若い世代は、「いま」の福島をどれくらい知っているのだろうか。
現在でも原発周辺には広大な帰還困難区域が存在し、多くの住民が戻ることができないこと。避難指示解除後に、震災前のふるさとの風景を取り戻そうとする人がいること。移り住んだ土地で新たな取り組みを始める人がいること。震災前の建物が壊され、真新しい建物へと造り変えられていること。終わりのみえない廃炉作業に懸命に取り組んでいる人がいること。
いまだに続く原発事故の影響と推し進められる復興とのはざまで、「地元」である福島大学が取り組んでいるのが、若い世代による「記憶の継承」である。授業を通して、学生が原発事故被災地を繰り返し訪れ、避難を経験した住民に対するインタビューを実施し、アーカイブ化することで、県内外を問わず深刻化している「記憶の風化」に抗おうとしている。
人類史の失敗とも位置づけられる原発事故の記憶を、そして、震災前から息づいてきた福島の日常を、学生たちが書き起こす住民たちの「生活史(語り)」として記録する。次世代へ十分な継承がなされないままに進められる「教訓なき復興」と「社会の忘却」「無関心」を乗り越え、日本社会全体が福島と向き合う未来を目指して。
はじめに 前川直哉
序 章 再び「福島」と向き合うために 前川直哉
第1章 川内村 千葉偉才也
概要
避難と帰村――公務員としての葛藤 井出寿一さん
峠を越えれば普通の日常――復旧と復興のはざまで揺れ動いた日々 井出茂さん
百人も参加した避難先での盆野球――人が集まれる喜びを感じたあの夏 遠藤和之さん
「BON DANCEがあるから帰ろうか」と言われる日まで 秋元活廣さん/秋元恵美さん
多角的な避難者のケアと避難所運営――「ペットも家族」という考え方 秋元賢さん
村が戻るまで明かりをともす――村民たちを待ち続けた元役場職員 秋元洋子さん
米を作ることが許されなかった経験――それでも思える「百姓」のよさ 松崎安延さん/松崎君子さん
災害時の教育――震災とこれからの子どもたち 石井芳信さん
村の復興のために、変わらないことのよさと不安と――双葉郡、帰還第一号ゆえの難しさ 猪狩幸夫さん
変わる「最前線」、変わらぬ「挑戦」――復興のための除染作業と「きれいな強い山」を目指して 遠藤俊平さん
走り、走られ、深まるトライアル――オートバイレースから生まれた縁 西巻裕さん/伊藤美帆さん
「絶妙」な故郷――帰還して気づいた、村の人と自然を守りたいという思い 矢内大丘さん
第2章 南相馬市小高区 前川直哉/久保田彩乃
概要
人だけじゃない、小高で失われた命――牛が残した「命の柱」 半杭一成さん
「何がなんでも、小高に帰る」――住民として、ボランティアセンター長として 鈴木敦子さん
「生きてるうちにやりたいことは全部やってやれ、ですよ」――憧れの古本屋さんを開業するまで 大浦秀航さん
みんなの記憶にある場所を残したい――小高の名物女将が語るふるさと 小林友子さん
小高に生まれ、小高に住むことを「選んだ」――「小高とうがらしプロジェクト」から生まれたつながり 廣畑裕子さん
人とのつながりを大切にする、地域に根ざした魚屋さん 谷地茂一さん
無我夢中から新たな一歩へ、未来へ向けた相馬牧場の挑戦 相馬秀一さん
困難を乗り越えて百年続くワイナリーを 三本松貴志さん
楽しいから交渉する――小高の闘う農家、三浦広志さんの震災復興の軌跡 三浦広志さん
頑張らないとだめだと気づいて――教師として子どもたちと未来に向かうために 荒寿子さん
野馬追に「駆けた」半生――当たり前だった馬との日々 杉本義隆さん
安心・安全なお米のために、日々学び続ける 根本洸一さん
「都市に依存しない若者を」――Uターンして地方の魅力を生み出す 根本李安奈さん
第3章 大熊町 鈴木敦己
概要
「ほんでも楽しかったんだよな。それはそれなりに」――大熊の原風景と東電の仕事 佐藤順さん/佐藤京子さん
「「帰る」じゃなくて、「帰りたいな」っていう。希望だね」――地域での暮らしとふるさとの空気 愛場誠さん/愛場せつ子さん
最後はやっぱり米作り――土に根ざす決意 吉田邦夫さん
つながりが生み出した大熊のキウイ――特産品の普及といま生かすべきチャンス 永井文成さん
「いずれ誰かのために」記録を残す――「おおくまふるさと塾」の活動とカルチャー 鎌田清衛さん
百年かかってもいいから、安全に仕事を進めてほしい 鈴木照重さん
「一日か二日あったら戻れるんだろう」――事故からの避難と中間貯蔵施設区域の収用 杉本征男さん
「誰かの力になれていればいいなと思って」――民生児童委員の活動を通して 根本友子さん
「やっぱ、うちだな」――人とのつながりと思い出、これからの大熊 田澤憲郎さん/田澤トキイさん
「あんまり関心がなかったような気もする」――いろんな情報から自分の考えをもつこと 渡辺通子さん
「そんなに簡単にふるさとっていうのは捨てられない」――大熊の文化と農業と人と 渡辺利綱さん
第4章 飯舘村 久保田彩乃
概要
「不死鳥のごとく」持続可能な農業を飯舘で 菅野宗夫さん
桜で紡ぐ村民の絆――息子を思う気持ちがつないだ三千本 会田征男さん/会田ツタ枝さん
やっぱり最後は「人」――働きながら人とつながって 長正増夫さん
飯舘で店を再開するために――体にやさしい食事とどぶろくで「前進あるのみ」 佐々木千榮子さん
「ナツハゼとともに、未来へ」――農園から笑顔を届ける 菅野クニさん
「耕すこと、作ること」――「天職ではない」木幡百香里さんの「農業と加工」の流儀 木幡百香里さん
牛を通じて望む――飯舘村から小さな楽しみを 山田豊さん
終 章 「福島」の話を聞くということ、アーカイブするということ――学生による座談会 千葉偉才也
おわりに 前川直哉
歴史修正主義とサブカルチャー書店発売日
田原俊彦論書店発売日
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