青弓社ライブラリー 111
菅森 朝子(著)
四六判 224ページ 並製
定価 2400円+税
ISBN978-4-7872-3570-1 C0336
書店発売予定日 2026年02月25日 登録日 2026年01月16日
乳がんは、日本の女性の9人に1人が罹患すると言われ、現代を生きる女性にとってごく身近な慢性病である。罹患者数は増加する一方で、医療の発達によって「治るがん」にもなっている。乳がんを経験した女性たちは、診断から治療、その後の日常生活までをどのように生きているのか。
10年に及ぶ乳がん経験者への継続的なインタビュー調査と、患者会へのフィールドワークから、経験者=「がん友」同士の支え合い、乳房の喪失と再建への思い、がん再発のリスクへの不安、仲間との別れ、家族との関係性などを丁寧に描き出す。
女性同士の友情や自らの経験の社会への継承など、特有の関係性や思いを明らかにすると同時に、女性たちが抱える孤独や痛み、性別役割やキャリア形成の葛藤など、日本のジェンダー構造が抱える問題性も逆照射する。
【目次】
まえがき
序 章 乳がん同病者関係の世界へ
1 乳がん同病者関係への注目
2 調査について
3 「病いの語り」研究という視座
4 乳がん同病者の世界のエスノグラフィー
5 乳がん同病者の世界から受け取った問い
第1章 乳房再建を機に開かれる乳がん同病者関係――見て触れて乳房再建のリアリティーを伝える
1 乳房再建の選択をめぐる困難
2 乳房再建術について
3 乳房再建をした三人の語り
4 乳房再建をしない語り
5 乳房再建の経験から同病者との関係に開かれていく
第2章 乳がん再発をめぐる同病者の「共同性」――「差異ある共同性」をつくる
1 乳がん同病者関係がもたらす「葛藤」
2 乳がん同病者関係における「再発」の問題
3 乳がん患者会における再発をめぐる関係
4 がん友との関係における再発をめぐる差異
5 「差異ある共同性」の方途
第3章 仲間との別れを超えて見いだされる「希望」――残す・受け継ぐ関係
1 乳がん同病者関係における死
2 Eさんの訃報に接して
3 余命を告げられたあとを生きる――Eさんが残したインタビュー記事から
4 同病の仲間の死にゆく過程、死後に関与すること
5 「死に向き合う語り」の可能性
第4章 家族の外側に発見する女性同士の親密な関係――疾患とジェンダーに閉ざされた状況から開かれる
1 家族の世話をする女性が病気になる
2 家族のなかでおこなわれる「ワーク」
3 乳がんの経験と家族との関係
4 家族関係の外で同病者と出会う
5 二重に「閉ざされた」状況から二重に「開かれていく」
第5章 乳がんの経験を継承する――ピアへの継承から社会への継承へ
1 「社会」への継承の希求
2 乳がん経験者から「社会」へ――Pグループが取り組む「社会」への継承の実践
3 「社会」への継承に向けて
終 章 乳がん同病者関係をなすもの――ピア・サポート、女性同士の友情、継承
1 乳がん同病者関係の多層性
2 「大人の女性」が抱える孤独と痛み
3 乳がんの経験をもたない者が継承を担うことの可能性
4 「女性の病いの語り」という視点の意義
あとがき
歴史修正主義とサブカルチャー書店発売日
田原俊彦論書店発売日
国道16号線スタディーズ書店発売日162-0801 東京都新宿区山吹町337
電話:03-3268-0381
ファクス:03-3268-0382
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