社会一般
門林 道子(著)
四六判 300ページ 並製 定価 3400円+税 ISBN978-4-7872-3567-1 C0036
書店発売予定日 2025年12月25日 登録日 2025年10月29日
2人に1人ががんになり、終末期であっても告知を受ける現代では、病と主体的に関わることを求められる。では、「病とともに主体的に生きる」とはどのような経験なのか。「自らの病の経験を書く」ことにどのような意味があるのか。 本書は、1920年代に闘病という言葉を生み出した小酒井不木の著作をはじめ、小林麻央など現代の著名人、さらには現役の医師が書いた闘病記まで、100冊を超える闘病記を丹念に読み解く。海外で書かれた病気体験記の事例やジェンダーの視点を組み込みながら、「闘う」から「ともに生きる」へと変化してきた闘病記の歴史をたどり、そこに刻まれた医療や社会、死生観の変化を追う。 結核やがんが「不治の病」と呼ばれた時代から病と共存する現在への移り変わりのなかで、患者が現実を受け入れて自己の経験をつづり、患者同士をつなげる闘病記という「生の声」に光を当てて、私たちの生き方や望ましい医療のあり方を根本から問い直す。 【目次】 まえがき 第1章 つなぐ・つなげる闘病記――患者主体の医療を目指して 第2章 海外で書かれた病気体験記 第3章 小酒井不木と『闘病術』『闘病問答』 第4章 結核からがんへ 第5章 乳がんと闘病記 第6章 闘病記を書くということ 第7章 闘病記の現在 第8章 家族が書く闘病記と闘病記の将来 初出一覧 あとがき