陳予茜(著)
四六判 208ページ 並製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-3560-2 C0036
在庫あり
書店発売日 2025年05月28日 登録日 2025年03月25日
1979年に導入された一人っ子政策のもとで生まれ育った女性たちは、中国社会にとってどのような存在なのか。彼女たちは、家族とどのような関係を築き、自分の人生をどう切り開いているのか。
40人の一人娘へのインタビューから、就職から恋愛、結婚、育児、家族との関係の現実までを丁寧に描き出す。そして、男性を優位に置く中国の家父長制規範や市場経済での差別に直面しているため、一人娘とその親たちが「家族」という単位でその厳しい社会を生き抜こうとしていることを明らかにする。
いまでも「皆婚社会」で結婚規範が強く、一方で高齢者や子どもへの公的な支援が少ない中国で、女性たちがジェンダーの不平等やケアの個人負担などの様々なプレッシャーに向き合い、家族と連携して自身のライフコースを築く姿を浮き彫りにする。
まえがき
序 章 一人娘とは誰なのか
1 一人っ子世代の一員としての一人娘
2 一人娘が置かれている社会と求められている役割
3 欧米と日本の女性のライフコースに関する研究
第1章 歴史のなかの中国人女性と家族、国家との関係性
1 二十世紀初頭までの儒教的家父長制社会において
2 一九四九年から七七年までの計画経済期において
3 一九七八年以降の市場経済期において
第2章 インタビュー調査の概要
1 調査地域
2 調査方法
3 調査対象者
第3章 一人娘の就職
1 就職地の選択
2 就職先の選択
3 就職からみえてきた一人娘と親との関係性
第4章 一人娘の恋愛・結婚
1 「見合い」の割合が高く、家族からの関わりが多い
2 経済力と安定性を重視する母親、愛情と相性を求める娘
3 不安と葛藤を抱えながら親密な関係を築く母娘
4 恋愛・結婚からみえてきた一人娘と親との関係性
第5章 一人娘の育児
1 「娘が主導で、母親が協力する」タイプ
2 「母親が主導で、娘が協力する」タイプ
3 「母娘はそれぞれ自分の方法で育児をおこなう」タイプ
4 「母娘は話し合いながら、意見を交換する」タイプ
5 育児からみえてきた一人娘の親子関係
第6章 一人娘の家族意識
1 パターン1――婚家型
2 パターン2――独立型
3 パターン3――両属型
4 パターン4――生家型
5 一人娘の生家と婚家との関係性からみえてきた彼女たちの家族意識
終 章 市場経済家父長制社会に生きる一人娘とその親たち
1 市場経済家父長制社会に適応しようとする一人娘と彼女たちの親
2 標準人生モデルを高い水準で達成することが求められる一人娘
3 帰属意識からみえてきた一人娘の家族意識と本人の役割の変化
4 中国の一人娘と欧米・日本の女性のライフコースの比較を通して
5 りんごを食べた一人娘
初出一覧
あとがき
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