社会一般
樋口 喜昭(著)
A5判 380ページ 上製 定価 3000円+税 ISBN978-4-7872-3493-3 C0036 在庫あり
書店発売日 2021年08月05日 登録日 2021年05月31日
戦前のラジオ放送から戦後のテレビの登場、ローカルテレビ局の開局と系列化、地上デジタル放送の移行という歴史をローカル放送の制度・組織・番組という視点から検証して、放送のローカリティの理念と実態が乖離してきた実情を豊富な史料から明らかにする。
地域性や各地の文化・風土を重視するテレビやラジオのあり方を指す「放送のローカリティ」は、放送と民主主義の関係を支える重要な理念として参照されてきた。 一方で、戦前から通底する行政手法、地方紙や自治体を中心にした戦後の運営主体、中央集権的な(キー局中心的な)放送ネットワークなどにより、放送と地域の関係は常にきしみも見せてきた。 戦前のラジオ放送から戦後のテレビの登場、ローカルテレビ局の開局と系列化、BSデジタル放送の開始、地上デジタル放送の移行という歴史をローカル放送の制度・組織・番組という視点から検証して、放送のローカリティの理念と実態が乖離してきた実情を明らかにする。 多くの史料を渉猟し関係者にインタビューをして、放送と地域の近・現代史を実証的に描き、今後のローカル放送のあり方を指し示す。
はじめに 第1章 放送のローカリティへのアプローチ 1 放送のローカリティとは何か 2 放送のローカリティに関連した先行研究 3 放送のローカリティをどのように問うのか 第2章 戦前・戦中期の放送のローカリティ 1 ラジオ放送の開始――Ⅰ期(一九二二―二八年) 2 地方局の誕生――Ⅱ期(一九二八―三四年) 3 組織改正後から太平洋戦争勃発まで――Ⅲ期(一九三四―四一年) 4 太平洋戦争期――Ⅳ期(一九四一―四五年) 第3章 日本型の放送のローカリティの形成 1 放送の民主化とローカリティ――Ⅴ期(一九四五―五一年) 2 ローカル放送の開局――Ⅵ期(一九五一―六〇年) 第4章 日本型の放送のローカリティの変容 1 ローカル放送の拡大期――Ⅶ期(一九六〇―八六年) 2 多メディア化――Ⅷ期(一九八六―二〇〇〇年) 3 デジタル化――Ⅸ期(二〇〇〇―一一年) 第5章 県域免許をめぐる放送の従属と独立 1 放送組織の地域的特徴 2 テレビジョン免許をめぐる紛争の事例 3 メディア集中化がみられた山形県の事例 第6章 制度・組織・番組 1 制度からみた放送のローカリティ 2 組織からみた放送のローカリティ 3 番組からみた放送のローカリティ 第7章 三つの放送のローカリティ 1 戦前・戦中期の三つの放送のローカリティ 2 戦後の三つの放送のローカリティ 3 放送のローカリティの変容過程 おわりに あとがき
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