齋藤 早苗(著)
              
 四六判  218ページ 並製
        定価 2000円+税
        ISBN978-4-7872-3474-2 C0036
        在庫あり      
書店発売日 2020年08月21日 登録日 2020年06月26日
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                     「日本経済新聞」
           朝刊           評者:佐藤博樹(東京大学名誉教授)  | 
        
なぜ仕事を優先することが正当化され、男性育休は職場の逸脱と見なされるのか。長時間労働の経験をもつ社員にインタビューし、仕事と私生活をめぐる時間意識の観点から「職場の雰囲気」を可視化して、男性の育休取得を困難にしている職場のあり方を照射する。
育児休業制度が整備されているにもかかわらず、育休を取得する男性はほかの社員から冗談やからかい、あるいは仕事を盾に「休むこと」を批判される。なぜ仕事を優先することが正当化され、男性育休は職場の「逸脱」と見なされるのか。
本書に登場するのは、育児休業を取得した男性社員だけでなく、長時間労働の経験をもつ男性社員や女性社員たちである。
男性が育休取得の際に感じる「モヤッとする思い」やなんとなく取得を言い出せない「職場の雰囲気」、育児と仕事を両立することがなぜ困難なのかなど、職場でのリアルな様子を、インタビューの語りをふんだんに用いて描く。
仕事と私生活をめぐる時間意識の観点から「職場の雰囲気」を可視化し、男性の育休取得を困難にしている職場のあり方を照射する本書は、育児と仕事の両立だけにとどまらず、働くすべての人にいまの働き方を問い直すものである。
序 章 「職場の雰囲気」に着目する理由
 1 男性にとっての育児休業制度
 2 男性の育児休業と職場の雰囲気
 3 本書の課題
 4 調査対象
第1章 育休男性と職場のコンフリクト
 1 職場の性別役割分業意識――「お母さんじゃだめなの?」「休めるんだから仕事頼むよ」
 2 手続きの確実さと育児の不確実さ――「いつから休むのかちゃんと出して」
 3 交渉力の発揮――「特別だからできる」
 4 潜在化する批判――「なんかいやーな感じ」
第2章 育休男性の新しい意識
 1 育休取得前――稼ぎ手役割の委譲
 2 育休取得経験で顕在化する意識
 3 育休取得後――意識化される〈時間帯〉
第3章 育児・仕事の時間配分の三つの様相
 1 労働時間を短縮せず、育児に関わる
 2 労働時間を短縮して、育児をする
 3 仕事を辞める
第4章 仕事/私生活をめぐる時間意識
 1 長時間労働に対する認識
 2 私生活の時間に対する認識
 3 コントロールできない労働時間が私生活の時間をコントロールする
 4 残業ゼロと多彩な活動
第5章 「望ましい労働者」像と育児の特殊性
 1 二つの時間意識――〈仕事優先〉と〈仕事も育児も〉
 2 男性が育休取得をためらうのはなぜか
 3 職場の「望ましさ」と育児の特殊性
第6章 なぜ男性育休は困難か
 1 〈仕事優先〉の時間意識に内在する「しかけ」
 2 性別役割分業意識の作動
 3 なぜ男性は育児休業制度の利用が難しいのか
終 章 男性育休の困難を解消するために
 1 ジェンダー視点を「カッコに入れる」とは
 2 組織成員の相互作用を視野に入れる
 3 交渉当事者を拡大する
あとがき
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