青弓社ライブラリー 30
野村 一夫(著) / 北澤 一利(著) / 田中 聡(著) / 高岡 裕之(著) / 柄本 三代子(著)
四六判 232ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3217-5 C0336 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2003年07月 書店発売日 2003年07月20日 登録日 2010年02月18日
病への不安が集団強迫と化した健康志向を文化的・政治的言説としてとらえ、それを成立させたメディア空間の発生を、身体をめぐる医学的まなざしの変容、公衆衛生思想の運動と表象、総力戦での人的動員などの歴史にたどって現代を照射する、日常性批判の試み。
はじめに 金子 淳 第1章 メディア仕掛けの「健康」 野村一夫 1 健康ブームの眺め方 2 健康食品の定着過程 3 旋律を奏でる健康言説と伴奏する健康言説 4 近代医学を模倣する 5 伝統回帰と減算主義 6 蘇生するレトロな道徳 7 身体アイデンティティの救済 8 メディアの終わりなき循環 9 健康ブームを眺め直す 第2章 健康の誕生 北澤一利 1 健康概念の起源 2 西洋医学の移入と身体認識の変化 3 健康の「誕生」と生理学イデオロギー 4 西洋医学化と杉田玄白の「革命」 5 養生と健康の違い 6 こぶとりじいさんと現代人 第3章 近代日本の健康と衛生 田中 聡 1 「養生」「衛生」「健康」 2 衛生展覧会について 3 病気と対策 4 恐怖のイメージ、清潔のイメージ 5 衛生展覧会と健康ブーム 6 健康の個人化 第4章 戦争と健康 高岡裕之 1 一九三〇年代の「健康」ブーム 2 労働者と健康 3 ハイキング・ブーム 4 一九三〇年代の「健康ブーム」の位相 5 「国民体位低下」問題と厚生省の成立 6 厚生運動の展開 7 「健康」をめぐる総力戦体制 第5章 現代社会と健康の科学 柄本三代子 1 もはやブームではない 2 リスクの提示 3 成分とカロリーで語られる食品 4 「薬」と「食品」──境界溶解現象はなぜ起こったのか 5 ロジックの相似──近代科学の必然とマスメディア 6 いびつな食と身体観
青弓社
品切れ・重版未定