青木 信人(著)
四六判 184ページ 上製 定価 2000円+税 ISBN978-4-7872-3055-3 C0037 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1992年09月 書店発売日 1992年09月25日 登録日 2010年02月18日
「教育」という制度のなかで生き生きとした感情を枯渇させ、命をけずる子どもたち。いじめから殺人まで、多発する少年犯罪の考察をとおし、カプセル化した社会に浮遊する子どもたちの現在を測定する。他者としての彼らとの再会のために。
序章 いじめの構図──鹿川君訴訟に思うこと 訴訟まで/判決とその波紋/判決文にみられる「いじめ」観第1章 幻の連帯感──「女子高生監禁殺人事件」再考 1 歯止めのない攻撃 あくことなき加虐/いじめぬく心理/孤独の集合 2 抑圧の連鎖 加虐への衝動/被虐体験の蓄積/奪われたもの 3 「力」への同化 切り刻まれた自尊心/非力感からの跳躍第2章 「他者」のいない風景 1 なぜ虐げるのか 屈折した「復讐」/宮崎勤と「他者」/人間関係の物質化/自己の絶対化 2 「他者意識」の欠落 現実感覚の乏しさ/宮崎勤の「感受性」/失われていく「感情」第3章 「感情」をなくす子どもたち 1 「城」にひきこもった少年 凍りついた「感情」/崩壊した家庭/競争社会からの脱落/暗い「城」/「城」への固執/荒涼とした「未来」 2 「いい子」の「仮面」が剥がれるとき 単純な動機/演じ続けた「いい子」/親への恐怖/失われた「感情」第4章 「感情」を圧殺するものI ──親たちの「暴力」 荒れる少年/「性」と覚醒剤に溺れる少女たち/ふみにじられる「いのち」/「教育」という名の暴力第5章 「感情」を圧殺するものII ──「命を削る場」としての学校 「力」による管理/削られていく「命」/偏差値信仰と管理主義/「学校」という制度がつくりだす「いじめ」終章 「他者」と出会う旅 1 「他者」と出会えない「あがき」──家庭内暴力を重ねる女性 2 ふたつの「便り」 ある日の偶然/母になった少女/元気な「便り」 (3)「他者」と出会う旅あとがき
青弓社
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