椋橋 彩香(著)
A5判 160ページ 並製 定価 2000円+税 ISBN978-4-7872-2078-3 C0026 在庫あり
書店発売日 2018年10月15日 登録日 2018年09月11日
カラフルでキッチュ、そしてグロテスクなコンクリート像が立ち並ぶタイの寺院83カ所をフィールドワークして、その地獄思想と地獄寺が生まれた背景、像が表現している地獄の数々まで、地獄寺を体系的にまとめた世界初の論考。刺激的なカラー写真も充実。
「地獄寺」と呼ばれるタイの寺院には、カラフルでキッチュなコンクリート像がこれでもかというほど立ち並んでいる。日本では「珍スポット」「B級スポット」などとして知られ、一部のマニアには注目されてきた。 獄卒、罪人、餓鬼、骸骨、オバケなどが立体像で勢ぞろいする地獄寺は、グロテスクでもあり、ときに笑いも誘う奇妙な風景をつくりだしている。 なぜ、タイの人々は日常生活のなかで地獄を表現しているのか? 地獄寺に魅せられ、タイ全土の83にも及ぶ寺院を実際に訪ねた著者が、タイの地獄思想、地獄寺が生まれた背景、さらに表現されている地獄の数々まで、地獄寺を体系的にまとめた世界初の地獄寺論考。
まえがき はじめに――研究対象としての「地獄寺」 第1章 タイの地獄思想とその表現 1 タイの仏教思想――出家仏教と在家仏教 2 タイの地獄思想――『三界経』と『プラ・マーライ』 3 描かれた地獄――寺院壁画と写本 コラム① 現代の地獄絵 第2章 新しい地獄表現「地獄寺」 1 地獄寺とは何か――調査からみえてきたもの 2 地獄寺が生まれた背景――一九七〇年代という時代 3 地獄寺における空間構成――リアリティーの追求 コラム② 苦あり楽あり地獄めぐり 第3章 個性豊かな地獄の住人たち 1 地獄の亡者――責め苦を与える者/与えられる者 2 混在する餓鬼――自身の姿が変容する者 3 異形イメージの源泉――精霊信仰との図像的習合 コラム③ 愛すべきタイのピーたち コラム④ 地獄めぐりのススメ むすびにかえて――生きている地獄表現 調査資料 参考文献 あとがき
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