事例で学ぶ図書館 6
吉井 潤(著)
A5判 200ページ
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-0094-5 C0300
書店発売予定日 2026年06月25日 登録日 2026年04月23日
子どもに本を手渡すこと、学びを支えること、孤立しがちな子育て世帯を支援すること――図書館の児童サービスは、その一つひとつが地域の基盤に関わっている。読み聞かせやおはなし会に代表される活動の背後には、理論と制度、そして多様な実践の積み重ねがある。
本書では、司書資格取得のために大学で履修する「児童サービス論」の内容を軸に、用語の整理から発達段階に応じた選書や読み聞かせ、レファレンスなどの具体的な手法までを順を追って丁寧に解説する。公立図書館や学校図書館、専門図書館の取り組みを紹介し、現場の実情も具体的に示す。
子どもを取り巻く環境の変化を踏まえて、学校や家庭、地域との連携、資料の多様化とアクセシビリティーへの対応、催事の企画や運営など、これからの図書館に欠かせない視点にも目を向ける。著者による絵本の詳細な評価例も所収する。
学生のテキストとしてはもちろん現場に立つ館員が日々の業務を組み立て直す際にも参照できる、実務に直結する一冊である。
【目次】
はじめに
第1回 公立図書館と子育て支援の未来
第1章 司書資格の取得を目指す大学生の図書館利用経験
1 幼少期の読書経験
2 読書で得られると思うこと
3 本の読み方の指導経験
4 初めての図書館利用
5 公立図書館の催事参加経験
6 ヤングアダルトコーナー利用経験
第2章 子育て支援と図書館サービスの融合に向けて
1 図書館は子育て世代の居場所になれるか
2 子育て世帯と図書館利用の現状と課題
3 税金で支えられる図書館サービスを子育て支援と結び付ける重要性
第2回 発達と学習での読書の役割
第1章 言葉の定義
第2章 発達段階
1 エリクソンの心理社会的発達理論と人格形成の過程
2 ハヴィガーストの発達課題論に基づく人間発達の理解
3 ピアジェの認知発達理論と教育的意義
第3章 読書能力と読書興味
1 読書心理学の体系化と発達段階
2 読書の穏やかな力
第4章 年齢別図書リストの事例
1 広島県東広島市立サンスクエア児童青少年図書館の事例
2 埼玉県北本市立中央図書館の事例
第3回 児童サービスの意義(理念と歴史を含む)
第1章 言葉の定義
第2章 海外の児童サービスの歴史
1 アメリカの児童図書館の誕生と背景
2 アメリカの公共図書館と児童サービスの発展
3 イギリスとカナダの動向
第3章 日本の児童サービスの歴史
1 戦前
2 戦後
3 石井桃子『子どもの図書館』
4 子ども文庫
第4章 児童サービスの目的
1 国際図書館連盟(IFLA)の児童図書館サービスのためのガイドライン
2 日本の児童サービスの現状
3 公立図書館で児童サービスをおこなう意味と目的
第4回 児童資料(絵本)
第1章 言葉の定義
第2章 絵本の種類
1 赤ちゃん絵本
2 物語絵本
3 昔話絵本
4 ナンセンス絵本やユーモア絵本
5 言葉遊び絵本やリズム絵本
6 ノンフィクション絵本
7 絵のなかから特定の人や物を探す絵本
8 季節や行事に関する絵本
第3章 絵本の評価
1 5冊のテキストによる絵本の評価
2 公立図書館での実務的な絵本評価例
3 実際の評価例
第5回 児童資料(物語と伝承文学、知識の本)
第1章 公立図書館での児童図書の蔵書構築と基本図書リストの活用
1 公立図書館での児童図書の蔵書構築と選書の考え方
2 公立図書館での基本図書とそのリストの概要
第2章 物語
1 子どもにとっての物語の意義と特色
2 基本図書の例
3 公立図書館での実務的な物語評価例
4 実際の評価例
第3章 伝承文学
1 言葉の定義
2 伝承文学の種類
3 伝承文学の評価項目
第4章 知識の本
1 児童図書での知識の本と蔵書構成の特徴
2 知識の本の具体例と評価例
3 知識の本の評価項目
第6回 児童サービスの実際(資料の選択と提供、ストーリーテリング、読み聞かせ、ブックトークなど)
第1章 資料の選択と提供
1 図書館情報資源概論の理解
2 児童サービスでの資料の選択と提供の意義と実践
第2章 ストーリーテリング
1 言葉の定義
2 図書館でのストーリーテリングの意義と実践
第3章 読み聞かせ
1 言葉の定義
2 読み聞かせの心構え
3 効果的な読み聞かせのための本選びのポイント
4 読み聞かせの実践テクニック
5 読み聞かせを終えたあと
第4章 ブックトーク
1 言葉の定義
2 ブックトークの目的と意義
3 ブックトークのテーマ設定と選書のポイント
4 聞き手を引き付けるブックトークの構成
5 ブックトーク本番のコツ
6 ブックトーク後の読書支援と次回への改善ポイント
第7回 乳幼児サービス(ブックスタートなど)と資料
第1章 乳幼児向けの主なサービス
1 言葉の定義
2 公立図書館での乳幼児サービスの概要と取り組み
3 おはなし会の具体例
第2章 ブックスタート
1 言葉の定義
2 ブックスタートの理念と日本での展開
第3章 乳幼児向けの資料
第4章 墨田区立緑図書館の事例
1 子育て経験を生かした特集展示のきっかけ
2 展示内容の工夫と効果
3 職員の視点と仕事への生かし方
4 今後の展望
第8回 ヤングアダルトサービスと資料
第1章 公立図書館でのヤングアダルトサービスの理念と実践
1 言葉の定義
2 ヤングアダルトサービスの概要・意義と現状の課題
3 なぜヤングアダルト世代は図書館を利用しないのか
第2章 ヤングアダルトサービスの資料
1 言葉の定義
2 ヤングアダルト向け資料の範囲と選定の考え方
3 ヤングアダルト文学の評価例
第3章 東京都港区立高輪図書館の事例
第9回 学習支援としての児童サービス(図書館活用指導、レファレンスサービス)
第1章 子どもの学習を支える公立図書館の役割
1 学習支援の側面
2 図書館活用案内
3 レファレンスサービス
4 レファレンスの記録を残す
第2章 絵本に関する来館者の問い合わせ事例
1 子どものころに読んだ、書名も忘れた絵本を探したい
2 おすすめの絵本はありますか
3 絵本の選び方がわかりません
4 トイレトレーニングなどの特定のテーマの絵本はありますか
第3章 参考図書の評価項目例
第10回 学校、学校図書館の活動(公立図書館との相違点を含む)
第1章 学校という場所を理解する
1 学校に関わる人や組織
2 教育行政と学校の関係
3 教育現場で使われる言葉
第2章 学校図書館と学校司書
1 学校図書館の目的と役割
2 学校司書ができる活動
第11回 学校と家庭、地域の連携・協力
第1章 公立図書館の児童サービスでの学校と家庭、地域との連携の意義と課題
第2章 岩手県久慈市の事例
1 学校図書館支援事業
2 うさこちゃんの部屋
3 ブックスタート
第12回 公立図書館の児童サービスでの資料の多様化とアクセシビリティーの展開
第1章 児童資料の多様性と利用環境の整備
1 言葉の定義
2 誰もが読書を楽しめる図書館へ
第2章 児童サービスで活用される資料の特徴・対象・目的
1 紙芝居
2 子ども向け新聞
3 子ども向け雑誌
4 視聴覚資料
5 仕掛け絵本
6 LLブック
7 点字図書
8 点訳絵本
9 布の絵本
10 さわる絵本
11 大活字本
12 手話付き絵本
13 電子書籍
14 オーディオブック
15 漫画
16 ボードゲーム
第3章 名古屋市守山図書館の事例
1 多様性を支え、地域とつながる拠点
2 当事者カフェ・発表の場・ウクレレ絵本クラブ
第4章 東京都豊島区立目白図書館の事例
1 障害者アートを通じた図書館と地域施設の連携
2 目白図書館とメジロックがつなぐ地域交流と共生の場
第13回 催事の企画
第1章 図書館の児童サービスでの催事の役割と実践
1 子ども向け催事の意義
2 催事の開催頻度と参加人数
第2章 催事の具体例
1 資料展示
2 「ぬいぐるみのおとまり会」
第3章 愛知県常滑市の事例
1 子ども向けサービスの充実
2 図書館に泊まる体験Hotel the Library
第14回 専門図書館の事例
第1章 国立国会図書館国際子ども図書館
1 言葉の定義
2 国際子ども図書館の理念・サービス・活動とその役割
第2章 東京都江戸川区立篠崎子ども図書館
1 子どもの学びと探究を支える取り組み
2 子ども未来館の連携による学びと体験の広がり
第3章 東京子ども図書館
1 設立の趣旨や理念
2 主な図書館活動
3 児童室蔵書の選書と排架の工夫
第4章 高知こどもの図書館
1 設立の背景と理念
2 主な活動内容
3 図書館資料と排架の工夫
4 今後の展望
第15回 これからの展望
第1章 児童図書の専門家としての図書館員の役割
第2章 公立図書館の児童サービスの未来像
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