小田 茂一(著)
A5判 224ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-7380-2 C0070
在庫あり
奥付の初版発行年月 2015年07月 書店発売日 2015年07月24日 登録日 2015年06月19日
三原色と補色の変遷を基本に、モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、カンディンスキー、マティス、そしてアメリカンポップのウォーホルらの作品を解析し、色彩の選択と組み合わせでどのように表現してきたのかをたどる。絵画を全点カラーで所収して解説する。
印象派を代表する「光の画家」モネは、『睡蓮』をはじめ、時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を生涯にわたって追求し、光が作り出す微妙な色彩を精緻に描き、光を色の輝きとして捉えようとした。印象派の影響を受けたその後の20世紀絵画のメッセージは、色彩面から大きな変遷をとげていった。
本書は、三原色と補色の関係をベースに、ゴッホ、ゴーギャン、カンディンスキー、マティス、そしてアメリカンポップのウォーホルらの作品を解析し、色彩の選択と組み合わせでどのように表現してきたのかをたどる。
絵画を全点カラーで所収して解説する。
はじめに――絵画とは特定の「色」と「色」が紡ぐメッセージである
第1章 光を色彩に変えた近代絵画
1 一対の補色だけで描かれた『印象 日の出』
2 補色と三原色による筆触の描法
3 モノクロームの写真、補色の絵画
第2章 伝統絵画における三原色
1 遠近法の原理と色遣い
2 三原色の色遣いはステンドグラスから
3 三原色としての赤・青・黄をめぐる長い歴史
第3章 拡張する赤・青・黄の三原色の世界
1 黄が橋渡す青とシアン、赤とマゼンタ
2 赤・青・黄に集約されるバロックの色
3 写真の発明と絵画の色彩の変化
第4章 ポータブル化する絵の具と主題の変容
1 描かれる「場」として、室内優位の十七、十八世紀
2 油絵の具が変革された十九世紀前半
3 十九世紀半ば、画家たちは戸外へ
第5章 補色対比から三原色に向かう画面構成
1 ゲーテの補色理論とモネの実践
2 補色を視覚で混交させるスーラの試み
3 スーラ作品に結実したルードの色彩理論
第6章 光を捉えた色彩による絵画の変革
1 現代アートの起点となる点描表現
2 補色並置が普遍化した一八八〇年代
3 三原色による新しい表現スタイルの広がり
第7章 写真と絵画の相互性
1 光のハーモニーと絵画の色、写真のモノクローム
2 写真の「動き」から絵画の「揺らぎ」へ
3 共有化される三原色による色彩効果
第8章 光を究め、色に顕す
1 深い青の闇にうねる黄の円弧
2 室内を光の色として表出したゴッホ
3 黄の強いはたらきによる表象性
第9章 光の表象としての黄による新しい表現
1 「色料」の三原色がもたらす水辺の光景
2 ゴッホの黄の躍動感は二十世紀絵画へ
3 街の光へと黄を活性化させる
第10章 三原色の色遣いと色彩の自立化
1 補色の印象派から三原色のフォーヴィスムへ
2 色の名が画題になる近代絵画
3 色彩が構築する新たな「かたち」
第11章 室内の光への回帰と色遣いの拡張
1 電灯の登場
2 理想の光の探究と表現の場
3 絵画の変革者たちのパレット
第12章 映像時代の絵画における「動き」の表現
1 単一視座と固有色の伝統の解体
2 「かたち」から「色」へ、ピカソの「動き」
3 立体造形と三原色の絵画との分化
第13章 抽象化・平面化と三原色
1 三原色によって構成される図像の躍動感
2 抽象絵画の登場と三種類の三原色
3 マンセルの「配色調和」とマティスの平面性
第14章 わが国近代絵画の三原色
1 外光派の補色活用
2 「ぶっつけがき」と呼ばれたわが国の点描派
3 普遍化する三原色の色遣い
4 絵の具セットの三原色
第15章 現代絵画の三原色
1 第二次世界大戦後のアートはニューヨークへ
2 花束の色は三原色
3 十九世紀のモネから現代の「アフター・モネ」派へ
4 オールオーヴァ化する絵画と三原色
注
図版一覧
あとがき
絵画作品索引(所蔵先など)
人名索引
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