青弓社ライブラリー 66
社会一般
櫻井 悟史(著)
四六判 216ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3323-3 C0336 在庫あり
奥付の初版発行年月 2011年01月 書店発売日 2011年01月22日 登録日 2011年01月12日
日本で死刑執行を担ってきたのは誰なのか、死刑執行人を選ぶ社会的条件とはなにかを、江戸期の山田浅右衛門や明治期の監獄の押丁・看守の事例を取り上げて明らかにし、究極的には国家ではなく「人が人を殺す」という、死刑執行をめぐる諸問題を解きほぐす。
はじめに――「人を殺すことを拒否する」と主張することは許されないか 序章 死刑判決問題と死刑執行問題 1 死刑研究の二つの側面 2 前提となる背景――日本の死刑執行人に関する基礎知識 3 死刑執行人の実際 4 なぜ刑務官が死刑執行を担うことになっているのか 5 本書の方法 第1章 牢役人は死刑を担っていたのか 1 江戸時代の刑罰――死刑観と身分観 2 牢役人は死刑に関与したのか 3 死刑執行を副業とする山田浅右衛門 第2章 なぜ看守が死刑執行を担うようになったのか 1 絞柱の登場 2 ダーティーワークとしての死刑執行 3 旧刑法下での死刑執行 4 イギリスとの比較――〈死刑の執行は刑務官の職務だから仕方がない〉わけではない 第3章 戦後から現在に至るまでの死刑執行人をめぐる諸問題 1 国家公務員法の制定・改正へのGHQの関与 2 絞首刑違憲訴訟 3 法文上での死刑執行現場の消滅 4 死刑執行人の現状と問題点 第4章 問われなくなった問題とは何か 1 死刑執行人の声 2 刑務官が死刑執行人であることの問題性の変遷 3 何が問われなくなったのか おわりに――〈殺させられる〉という問題 参考文献[本文では言及しなかったもの] あとがき
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