怪異を魅せる

怪異の時空 2
怪異を魅せる

一柳 廣孝 監修, 飯倉 義之 編著
四六判 288ページ 並製
定価:2000円+税
ISBN978-4-7872-9240-7 C0395
奥付の初版発行年月:2016年12月/書店発売日:2016年12月01日

在庫あり
円朝の怪談噺、劇場空間と怪異、超常能力表象、子どもと怪異、怪談実話、『刀剣乱舞』など、バラエティー豊かな怪異の物語を読み解き、怪異を魅せる/怪異に魅せられる心性を問う。創作活動にとっての怪異を語る小説家・峰守ひろかずへのインタビューも充実。

版元から一言

新聞や雑誌、小説、落語、童話、ライトノベル、ゲーム……怪異は多様な形式に合わせて姿を変えて人々に受容され、ときに社会に大きなインパクトを与えてきた。怪異はどのように書き留められ、表現され、創作されてきたのだろうか。

創作活動にとっての怪異を語る小説家・峰守ひろかずへのインタビューを筆頭に、円朝の怪談噺、劇場空間と怪異、超常能力表象、子どもと怪異、怪談実話、『刀剣乱舞』など、バラエティー豊かな怪異の物語を読み解き、怪異を魅せる/怪異に魅せられる心性を問う。

著者プロフィール

一柳 廣孝(イチヤナギ ヒロタカ)

和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近代文学、日本近代文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、編著に『オカルトの帝国』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』、共編著に『ライトノベル研究序説』『ライトノベル・スタディーズ』(いずれも青弓社)など。

飯倉 義之(イイクラ ヨシユキ)

千葉県生まれ。國學院大學文学部准教授。専攻は現代民俗論、都市民俗論。共著に『妖怪・憑依・擬人化の文化史』(笠間書院)、『異人論とは何か』(ミネルヴァ書房)、『ライトノベル・スタディーズ』(青弓社)、編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社)など。

目次

はじめに 一柳廣孝

第1章 怪異を書く:峰守ひろかずインタビュー 聞き手:飯倉義之/一柳廣孝

第1部 怪異を物語る――怪異を伝えるために試みられたこと

第2章 挿絵が語る怪談噺――『真景累ヶ淵』と『怪談乳房榎』の場合 横山泰子
 1 『真景累ヶ淵』の場合
 2 『怪談乳房榎』の場合

第3章 豆男物の浮世草子――浅草や業平伝説との関係など 佐伯孝弘
 1 豆男物の定義と範囲
 2 浅草や業平伝説との関係
 3 小説史のなかの位置づけ

第4章 劇場空間と怪異――泉鏡花「陽炎座」が描く観劇体験 鈴木 彩
 1 子供芝居の幕の裏には……
 2 拙い芝居を観ることの意味
 3 虚構が、虚構であることをやめるとき

第5章 超常能力と大正中期探偵小説 浜田雄介
 1 読唇術探偵の誕生
 2 シンパシーと探偵の自壊
 3 解ける謎と解けない怪異

第2部 怪異で物語る――怪異を通じて語りうること

第6章 子どもと怪異――松谷みよ子『死の国からのバトン』を考える 三浦正雄/馬見塚昭久
 1 ムーブメントの交差点
 2 怪異の仕組み
 
第7章 船幽霊の声/幽霊船の沈黙――〈海異〉の近代文学史 乾 英治郎
 1 近代の〈海異〉――明治期を中心に
 2 関東大震災と〈海異〉
 3 昭和期の〈海異〉

第8章 往生際の悪い死体――執着譚と蘇生譚の境界 近藤瑞木
 1 実録的「蘇り譚」
 2 「是よみがへるにはあらざる事」
 3 臨終行儀書の姿勢
 4 蘇生者の殺害――『伽婢子』と『雪窓夜話』
 5 西鶴の「ためしもなきよみがへり」

第9章 枕のなかの世界――『唐代伝奇』「枕中記」の日本受容 笹生美貴子
 1 古代日中の「枕」にまつわる作品――魂との関連に注目して
 2 枕の穴――壺中天・太湖石が織りなす世界観との関連性
 3 「枕中記」の日本受容

第3部 怪異は物語る――怪異に読者が期待すること

第10章 インディアン・ロープ・マジック幻想――幸田露伴から手塚治虫まで 橋本順光
 1 インディアン・ロープ・マジックの発見と幻滅
 2 物語でのロープ・マジックの再生と転用

第11章 「情報化」される〈怪異〉――『刀剣乱舞』からみる現代版「付喪神」の表象 上島真弓子

 1 『刀剣乱舞』――現代版付喪神の登場
 2 「三日月宗近」の擬人化
 3 祟りからロマンへ――恐怖からの脱却

第12章 怪談の文法を求めて――怪談実話/実話怪談の民話的構造の分析 飯倉義之
 1 怪談実話/実話怪談とは「何か」
 2 怪談の「実話らしさ」とは何か
 3 怪談実話の「文法」を読み解く
 4 怪談実話を「文法」で読み解く

おわりに――シリーズとしては「つなぎに」 飯倉義之