特集 イチゼロ年代のライトノベルライトノベル・フロントライン2

ライトノベル・フロントライン2 特集 イチゼロ年代のライトノベル

大橋 崇行 編著, 山中 智省 編著
A5判 208ページ 並製
定価:1200円+税
ISBN978-4-7872-9234-6 C0395
奥付の初版発行年月:2016年05月/書店発売日:2016年05月16日

在庫あり
特集では、『灰と幻想のグリムガル』の原作者・十文字青へのインタビューを筆頭に、イチゼロ年代(2010年代)のライトノベルをめぐる動向に迫る。小特集として「児童文学とライトノベルのあいだ」を取り上げ、バラエティー豊かな連載も充実の第2号、発進!

版元から一言

特集では、ラノベ市場の変化、ウェブ発の作品の拡大、インターネットを介した作家と読者のコミュニケーションの活発化など、今日的なメディア状況を踏まえながら、イチゼロ年代(2010年代)のライトノベルをめぐる動向に迫る。話題沸騰のテレビアニメ『灰と幻想のグリムガル』の原作者・十文字青へのインタビューをはじめ、ボカロ小説やライト文芸に関する論考、中国・韓国のラノベ事情のレポートなどを収め、さらにライトノベル研究会のメンバーが推薦する個性豊かな作品もレビューする。

小特集は「児童文学とライトノベルのあいだ」と題して、ライトノベルに接近しつつある児童向けエンタメの現状と、その実態に迫る。また『ミステリアス・セブンス』の著者・如月かずさへのインタビュー、『西の善き魔女』などの作家・荻原規子論、児童文庫や「朝の読書」運動についての論考から、児童文学の新たな可能性を照らす。

アニメ化・コミック化作品の紹介やバラエティー豊かな連載も充実、いま唯一のライトノベル批評誌である『ライトノベル・フロントライン』第2号、発進!

著者プロフィール

大橋 崇行(オオハシ タカユキ)

作家。東海学園大学教員。専攻は日本近代文学。小説に『大正月光綺譚 魔術少女あやね』(辰巳出版)など。

山中 智省(ヤマナカ トモミ)

目白大学教員。専攻は日本近代文学、サブカルチャー研究。著書に『ライトノベルよ、どこへいく』(青弓社)など。

目次

特集 イチゼロ年代のライトノベル

 イチゼロ年代のライトノベルへ至る道 山中智省

 イチゼロ年代を駆ける作家――十文字青インタビュー 聞き手:大橋崇行/山中智省

 多様化していくライトノベル

 推薦作品ブックレビュー
  『なれる!SE』/『テルミー』/『シー・マスト・ダイ』/『花咲けるエリアルフォース』/『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』/『雨の日のアイリス』/『のうりん』/『英国マザーグース物語』/『天使の3P!』/『革命は恋のはじまり』/『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』/『冴えない彼女(ルビ:ヒロイン)の育てかた』/『独創短編シリーズ 野崎まど劇場』/『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』/『甘城ブリリアントパーク』/『終わらない鎮魂歌(ルビ:うた)を歌おう』/『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。』/『絶深海のソラリス』/『この恋と、その未来。』/『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』/『下読み男子と投稿女子』/『薬屋のひとりごと』/『愚者のジャンクション』/『WEB小説家になろうよ。』/『りゅうおうのおしごと!』

 「青春ラノベ」の〈終わり〉――『俺妹』『はがない』『俺ガイル』を中心として 樋口康一郎
  1 近親相姦のタブー――『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
  2 「残念」な「ぼっち」――『僕は友達が少ない』
  3 「スクールカースト」のなかのヒーロー像――『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』

 浸透・拡散していくライトノベル

 ラノベで卒論!――文学研究篇 一柳廣孝

 踏み出すことでみえるもの 松永寛和
  1 創作から研究へ
  2 ライトノベルが位置する場所は
  3 挿絵から考える

 「悪ノ娘」を生み出したボーカロイドとCGM文化 山口直彦
  1 “VOCALOID”の登場とCGM文化の隆盛
  2 ボカロ楽曲の始まり
  3 ボカロPという存在
  4 「悪ノ娘」の登場とボカロ小説の始まり

 ボカロ小説の趨勢 大橋崇行
  1 VG文庫創刊とボカロ小説
  2 ライトノベルとボカロ小説との関係
  3 ボカロ小説の今後

 ライト文芸の普及と拡大 山田愛美
  1 女性向けとしてのライト文芸
  2 ターゲットはオトナの男性
  3 ライト文芸発の作家たち
  4 過去作品の見直し

 韓国のライトノベル――その輸入と進化 田泰昊
  1 韓国にライトノベルが定着するまで
  2 二〇一〇年代、韓国のライトノベルの現在
  3 韓国という環境、そのなかでの進化

 中国ライトノベルの足跡をたどりに 劉霊司馬
  1 ライトノベルとラノベアニメ
  2 珊瑚文庫時代
  3 天聞角川時代
  4 暗黒時代――天聞角川ライトノベル「一斉販売中止」事件
  5 すべて遠き理想郷――台湾角川

小特集 児童文学とライトノベルのあいだ

 児童文学とライトノベルの「あいだ」で 犬亦保明

 児童文学とライトノベルの「あいだ」

 如月かずさインタビュー 聞き手:犬亦保明/井上乃武/大島丈志

 児童文庫ブックレビュー
  『クレヨン王国の十二か月』/『ふたごの魔法つかい』/『名探偵夢水清志郎』/『パスワード』/『若おかみは小学生!』/『黒魔女さんが通る!!』/『ハピ☆スタ編集部』/『IQ探偵ムー そして、彼女はやってきた。』/『怪盗レッド』/『いみちぇん!』

 物語を「読む」ということ――荻原規子作品における物語受容の問題 井上乃武
  1 卑小な主人公が「世界」を変える――『西の善き魔女』
  2 「人間の架け橋」――「セカイ系」に対する批評性
  3 テキストの細部へ――二次創作的な想像力との接点

 「児童文庫」と消費される心地よさ 犬亦保明
  1 子どもが求める「物語」
  2 心地よさだけの「児童文庫」

 小・中学校での「朝の読書」のいま 山川知玄
  1 「朝の読書」とは?
  2 「朝の読書」の実態
  3 読まれているライトノベルについて
  4 「朝の読書」以外の読書へのはたらきかけと「朝の読書」の発展的な活動

 アニメ化作品紹介
  『とある魔術の禁書目録』『とある魔術の禁書目録Ⅱ』/『ゴールデンタイム』/『六花の勇者』/『異能バトルは日常系のなかで』/『落第騎士の英雄譚』

 コミック化作品紹介
  『長門有希ちゃんの消失』/『マグダラで眠れ』/『アウトブレイク・カンパニー―萌える侵略者』/『All You Need Is Kill』/『無職転生――異世界行ったら本気だす』/『ゼロから始める魔法の書』

連載 ガーリーノベルの現在(第2回)
 妻たるオトメと働くオトメ 久米依子

連載 ライトノベル翻訳事情(第2回)
 ライトノベルはどのような英文に翻訳されたのか 太田 睦

連載 ラノベ史探訪(第2回)
 専門レーベルの誕生――「角川文庫・青帯」から「スニーカー文庫」へ 山中智省

連載 ライトノベル時評(第2回)
 ウェブ小説の流行とウェブ雑記の拡張 大橋崇行