リヒャルト・シュトラウスとホーフマンスタール

リヒャルト・シュトラウスとホーフマンスタール

三宅 新三 著
四六判 344ページ 並製
定価:3000円+税
ISBN978-4-7872-7393-2 C0073
奥付の初版発行年月:2016年12月/書店発売日:2016年12月15日

在庫あり
20世紀初頭、作曲家と詩人が共同作業で、近代オペラの頂点とされたヴァーグナーの楽劇を乗り越えようと、『ばらの騎士』など6つのオペラを生み出した。膨大な往復書簡の綿密な読解と斬新な作品解釈を通して、23年間のふたりの協力関係の全容を明らかにする。

版元から一言

リヒャルト・シュトラウスとフーゴー・フォン・ホーフマンスタール。20世紀初頭のドイツ語圏を代表する作曲家と詩人の共同作業によって『エレクトラ』(1909年)、『ばらの騎士』(1911年)、『ナクソス島のアリアドネ』(1912年、16年)、『影のない女』(1919年)、『エジプトのヘレナ』(1928年)、『アラベラ』(1933年)の6つのオペラが生まれたことは知られている。ふたりの協力関係は1906年に始まり、29年のホーフマンスタールの死まで23年間にわたって続いた。

作曲家と詩人の幸運な出会いはオペラ史のなかでもまれだが、モーツァルトとポンテ、ヴェルディとボーイトの協力関係と並ぶ実り豊かな成果をふたりは生み出した。近代オペラの系統を引きながら、それに対するアンチテーゼを提示し続けたふたりの意識は際立っていた。

ふたりの協力関係を往復書簡と先行研究に基づいて検証し、ふたりが創作した6作品に近代ヨーロッパを代表する芸術であるオペラの頂点をみるオペラ研究の成果。

著者プロフィール

三宅 新三(ミヤケ シンゾウ)

1951年、岡山県生まれ。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科・文学部教授。専攻はオペラ表象論、ドイツ文学。著書に『モーツァルトとオペラの政治学』(青弓社)、『ヴァーグナーのオペラの女性像』(鳥影社・ロゴス企画部)など。

目次

序章 リヒャルト・シュトラウスとホーフマンスタール
 1 作曲家と詩人
 2 ホーフマンスタールとヴァーグナー

第1章 『エレクトラ』――クンドリ、サロメ、エレクトラ
 1 クンドリ
 2 サロメ
 3 作品の成立
 4 『エレクトラ』と精神分析
 5 『エレクトラ』と神話学

第2章 『ばらの騎士』――モーツァルトとヴァーグナーのはざまで
 1 協力関係における詩人の立場
 2 作品の成立
 3 『ばらの騎士』とモリエール
 4 『ばらの騎士』とモーツァルト
 5 『ばらの騎士』とヴァーグナー
 6 シュトラウスの音楽とホーフマンスタール

第3章 『ナクソス島のアリアドネ』――総合芸術作品への実験的試み
 1 第一版の成立
 2 第一版の理念
 3 第一版の失敗と第二版の成立
 4 第一版と第二版の相違
 5 神話オペラ『ナクソス島のアリアドネ』

第4章 『影のない女』――二十世紀における『魔笛』の試み
 1 作品の構想と詩人の苦悩
 2 作品の成立
 3 皇后と皇帝
 4 染物屋の妻とバラク

第5章 『エジプトのヘレナ』――神話オペラの挫折
 1 作品の最初の構想
 2 詩人による構想の変容
 3 作品の初演
 4 『エジプトのヘレナ』とバッハオーフェン
 5 ホーフマンスタールの神話観

第6章 『アラベラ』――ホーフマンスタールの白鳥の歌
 1 作品の成立
 2 アラベラとツデンカ
 3 マンドリカ

終章 晩年のリヒャルト・シュトラウス
 1 シュトラウスと第三帝国
 2 『ダーナエの愛』
 3 『カプリッチョ』

参考文献

あとがきにかえて――『四つの最後の歌』と妻パウリーネ