現代美術キュレーター・ハンドブック

現代美術キュレーター・ハンドブック

難波 祐子 著
四六判 272ページ 並製
定価:2000円+税
ISBN978-4-7872-7381-9 C0070
奥付の初版発行年月:2015年09月/書店発売日:2015年09月06日

在庫あり
魅力的な展覧会を企画して、時代の新たな感性を提案するキュレーターという仕事。その醍醐味を紹介しながら、仕事の実際の姿を実務的な展覧会の企画から実施までの流れに沿って具体的に解説する。アーティストとの契約書の雛型など資料も充実の手引書。

版元から一言

近年、様々な文脈でキュレーターやキュレーションといった言葉を耳にするようになったが、本来の意味である、博物館や美術館などで作品収集、展示、調査・研究を司る専門職=キュレーターとはどんな職業であり、その仕事内容はどのようなものなのか。
キュレーターは展覧会の企画運営を取り仕切る花形職種であるようなイメージがあるが、実際にはきわめて実務的で地道な仕事の積み重ねである部分も多い。仕事の中心となる展覧会の企画の立て方から魅力的な展示作りのノウハウ、予算管理の仕方、作品の借用や輸送計画、アーティストとの共同作業、カタログ作成など、「展示」「展覧会」の具体的なハウツー・実務を著者の経験やさまざまなエピソードを交えて解説する。
展覧会作りに携わり始めたばかりの学芸員、企画を模索するキュレーター、展示に初めて関わるアーティストはもちろん、全国各地でますます盛んになっているアートプロジェクトや国際展に関わるNPOや民間企業、地方自治体の担当者、美術系の学生は必携の一冊。実務上は必須でありながら「書き方」があまり知られていない企画書や借用書、アーティストとの契約書の雛型など、資料も充実の入門的な手引書。

著者プロフィール

難波 祐子(ナンバ サチコ)

キュレーター。東京都現代美術館学芸員を経て、展覧会などの企画運営をおこなうI plus Nを設立。著書に『現代美術キュレーターという仕事』、共編著に『ビエンナーレの現在』(ともに青弓社)。企画した主な展覧会に「こどものにわ」(東京都現代美術館、2010年)、「呼吸する環礁(ルビ:アトール)――モルディブ‐日本現代美術展」(モルディブ国立美術館、マレ、2012年)など。札幌国際芸術祭2014プロジェクトマネージャー(学芸担当)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター、「“TOKYO”――見えない都市を見せる」共同キュレーター(東京都現代美術館、2015年)。

目次

はじめに

第1章 キュレーターになるには
 キュレーターに求められる資質
 学芸員資格の取得
 学芸員応募時に求められるスキル
 キュレーターになってから

第2章 展覧会をつくる
 展覧会を開催するきっかけは?
 準備期間はどのくらい必要か
 企画のアイデアはどこから?
 まずは企画書を作る
 展覧会の流れ

第3章 資金調達と予算管理
 展覧会の予算
 予算書の作成
 会場使用料/借用料
 輸送費・保険料
 作品借用料、写真使用料
 旅費・滞在費
 作品制作費
 会場設営費
 広報宣伝費
 カタログ制作費
 謝金
 内覧会
 その他
 展覧会の収入源
 予算がないときにはどうするか?
 助成金・協賛金の申請、協力要請のポイント
 申請先にとってのメリットを考える
 報告書の作成と予算管理

第4章 作家・作品の選定と展示計画
 参加作家と出品作品の選定
 ローン・ショーでの作品調査と選定
 作品調査の七つ道具
 何を調べるか
 新作コミッション中心の場合の作品調査と選定
 契約書の作成
 会場構成と展示計画
 壁立て
 部屋の仕様
 展示台と額
 使用機材
 展示計画の注意点
 予算の調整

第5章 作品の借用と輸送
 作品借用と輸送計画
 作品借用と輸送の流れ
 借用のおうかがいを立てる
 依頼状の送付
 輸送手段
 クレートの仕様
 作品に保険をかける
 クーリエの手配
 作品の集荷
 クレートの管理
 開梱

第6章 会場設営と撤収
 会場設営とは
 設営・展示スケジュールの作成
 作家やクーリエの受け入れ準備
 キュレーターは現場監督
 壁立て
 作品の展示
 キャプションをつける
 展示の仕上げ
 展示設営の七つ道具
 開けない展覧会はない!

第7章 内覧会、関連イベント、会期中の管理
 展覧会がオープンしたら
 内覧会と記者会見
 レセプションをおこなう場合
 関連イベント
 会期中の運営
 アンケートの実施
 もし作品に不具合が生じたら
 展覧会終了に向けた準備あれこれ
 作品を残す場合

第8章 広報
 展覧会の広報
 広報計画
 広報の種類
 広報印刷物のデザイン
 印刷部数・フォーマットの検討と配架先の計画
 インターネットの活用
 プレスリリースの作成
 プレスクリップの作成
 広報戦略いろいろ

第9章 カタログ制作
 カタログの役割
 カタログの種類
 カタログ制作の流れ
 デザイナーと印刷会社を決める
 判型を決める
 台割を考える
 カタログの構成要素
 素材を集める
 校正作業
 入稿
 出版社に依頼する場合
 展覧会の記憶

おわりに

資料
[1]企画書/[2]予算書/[3]作品リスト/[4]借用依頼状/[5]出品承諾書/[6]ローンフォーム/[7]借用書/[8]調書/[9]搬入・設営スケジュール/[10]アンケート/[11]広報用画像使用申込書/[12]台割/[13]契約書/[14]参考文献一覧