1631―1945韓国写真史

韓国写真史 1631―1945

崔仁辰 著, 犬伏 雅一 監訳, 姜美賢 訳, 洪性雲 訳, 朴紀昤 訳
A5判 664ページ 上製
定価:4000円+税
ISBN978-4-7872-7375-8 C0072
奥付の初版発行年月:2015年03月/書店発売日:2015年03月31日

在庫あり
朝鮮半島で写真はどのように受容され、発展し、生活のなかに織り込まれていったのか。写真と芸術の交差、アマチュア写真家の隆盛、戦争と写真表現、などを350点以上の貴重な写真を交えて描き出す。実証的であるとともに、挑発的な意図を含んだキーテクスト。

著者プロフィール

崔仁辰(チェ インジン)

1941年、大韓民国全羅南道羅州市生まれ。漢陽大学校国文学科卒業。東亜日報編集局写真部長を歴任し、1978年に韓国写真史研究所を開設。韓国写真史の確立に努力してきた。著書に『韓国現代美術史(写真)』(同和出版公社)、『韓国新聞写真史』(悦話堂)、訳書にボーモント・ニューホール『世界の写真史』(瑞文堂)など。展示「韓国写真歴史展」(芸術の殿堂、1998年)を企画・開催。

犬伏 雅一(イヌブセ マサカズ)

1950年、大阪府生まれ。1976年、京都大学卒業(文学部、言語学専攻)。96年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得満期退学(芸術学専攻)、修士(文学)。現在、大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科教授。専門は美学、映像論、視覚文化研究(写真)。共編著に『新世代写真術』、訳書に『写真のキーコンセプト』(ともにフィルムアート社)、共訳書に『実験映像の歴史』(晃洋書房)など。

姜美賢(カン ミヒョン)

1975年、大韓民国ソウル特別市生まれ。2004年、大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科卒業。11年、大阪芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程修了、博士(芸術文化学)。博士論文「行為としての写真――モダニズム写真の枠を超える写真表現として」。現在、ニューヨークで写真家、アートコンサルタントとして活動。

洪性雲(ホン ソンウン)

1973年、大韓民国忠清南道夫餘郡生まれ。2001年、朝鮮大学美術大学純粋美術学部卒業。04年大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科卒業。08年、大阪芸術大学大学院芸術研究科芸術文化学専攻修士課程修了、修士(芸術文化学)。現在、画家・幼稚園美術教師・日本語講師。

朴紀昤(パク キリョン)

大韓民国京畿道水原市生まれ。2004年、大阪芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程修了、博士(芸術文化学)。中央大学(韓国)先端映像大学院映像学アニメーション専攻、研究教授などを経て、現在、中央大学、南ソウル大学ほか非常勤講師。博士論文「宮崎駿アニメーションにおける特殊性と普遍性」。著書に『日本アニメーションのクリエーター――創造と実験の名のもとで』(イダム・ブックス/Idam Books〔韓国語〕)など。

李京彦(イ ギョンオン)

1980年、大韓民国ソウル特別市生まれ。2004年、ソウル芸術大学映画学科卒業(映画演技専攻)。11年、国立韓国放送通信大学国語・国文学科卒業。14年、大阪芸術大学大学院芸術研究科芸術制作専攻、修士(デザイン領域、写真)。博士論文の研究テーマ、「日本の写真館文化」。現在、大阪芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程在学(美学・芸術学)。

金根愛(キム クネ)

1976年、大韓民国大邱広域市生まれ。2006年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。08年、大阪芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程単位修得満期退学。修士(デザイン領域、写真)。

目次

凡例

『韓国写真史』の日本語版翻訳に寄せて

序文

第1章 「写真」という言葉の歴史
 1 光で描く
 2 写真
 3 辞典のなかの写真
 4 各国の写真の名称

第2章 漆室玻★王偏に黎★眼
 1 写真の起源
 2 カメラ・オプスクーラ
 3 写真原理の伝来
 4 カメラ・オプスクーラの伝来
 5 漆室玻★王偏に黎★眼
 6 漆室観画説
 7 影法弁証説
 8 カメラ・オプスクーラで解釈された神気通

第3章 写真との接触
 1 写真の発明
 2 アジア地域の写真伝来
 3 写真の受容を阻んだ鎖国政策
 4 中国を通した写真との接触
 5 呉慶錫の肖像写真
 6 日本を通じた写真との接触

第4章 写真の受容
 1 開化派の形成に影響を与えた写真
 2 写真受容を試みた金允植
 3 直接受容の時代的背景
 4 金鏞元の写真術研究
 5 黄鐵の写真術研究
 6 池運永の写真術研究

第5章 写真の社会史
 1 西洋文物に対する否定的な見方
 2 襲われた写真館
 3 流言飛語に利用された写真
 4 武器に見えたカメラ
 5 シャーマニズムとの葛藤

第6章 定着と発達
 1 発達の始め
 2 高宗の写真
 3 記念写真
 4 写真と法
 5 写真の複製
 6 写真理論の定着

第7章 肖像写真
 1 肖像画と肖像写真
 2 肖像写真の美学
 3 写真館
 4 天然堂写真館
 5 写真師
 6 女性写真師
 7 修整
 8 京城写真師協会
 9 営業写真館の退歩
 10 日本人写真館

第8章 表現に向かって
 1 美術写真
 2 芸術写真
 3 芸術写真展覧会
 4 軟焦点写真
 5 芸術写真思潮の紹介
 6 新文化運動と芸術写真

第9章 アマチュア写真活動
 1 アマチュアの登場
 2 アマチュア写真家団体
 3 写真術の発達とカメラの大衆化
 4 アマチュアの後援者、写真材料商
 5 写真公募展と作品
 6 アマチュア写真活動の波紋

第10章 媒体写真
 1 ニュース写真の登場
 2 媒体写真の定着
 3 民間紙の創刊と媒体写真
 4 媒体写真の領域拡大
 5 写真画報
 6 規制と弾圧
 7 日章旗抹消事件

第11章 写真表現の自由と規制
 1 表現の自由と規制
 2 プール(pool)写真の登場
 3 法律による規制
 4 淫乱写真の限界
 5 日帝末期の激しい規制
 6 戦時体制のプロパガンダ写真

第12章 写真に残す
 1 記念から記録へ
 2 写真に現れた開化期のソウル
 3 未知の世界を記録する
 4 三・一運動と高宗・純宗
 5 写真に残す
 6 写真の拡張

第13章 カメラと感光材料
 1 写真の裏面史
 2 一般人の目に映ったカメラ
 3 暗箱カメラ
 4 暗箱用のレンズ
 5 写真記者の愛用機、アンゴ・カメラ
 6 携帯用カメラ一九〇〇―二〇
 7 アマチュアと小型カメラ
 8 媒体取材用小型カメラ
 9 乾板とフィルム
 10 印画紙とその他感光材料
 11 産業へと成長できなかった写真機材

第14章 外国人の写真活動
 1 外国人の写真
 2 辛未洋擾の戦闘記録
 3 江華島条約締結当時の写真
 4 高宗皇帝を撮影したローウェル
 5 写真に現れた朝鮮義兵
 6 ミューレンステトの義兵虐殺現場
 7 朝鮮を撮影した西洋の写真家

写真史

参考文献一覧

訳者あとがき

人名索引

事項索引