写真叢書
芸術
青弓社編集部(編)
四六判 256ページ 上製 定価 3000円+税 ISBN978-4-7872-7248-5 C0372 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2008年08月 書店発売日 2008年08月25日 登録日 2010年02月18日
ロラン・バルトの遺作であり写真を主題とした『明るい部屋』が刊行されてから四半世紀以上が経過したが、いまだにその衝撃力は色褪せていない。さまざまな論者による論考を集成し、『明るい部屋』を照射することでバルトの写真論の可能性を浮き彫りにする。
はじめに 青弓社編集部 第1章 『明るい部屋』のなか 私はここで暮らしたいと思う 原 広司 ロラン・バルトの部屋 小林康夫 第2章 『明るい部屋』の光 まなざしの対位法 鈴村和成 ロラン・バルトの哀悼――『明るい部屋』における写真論と自伝の相互作用について 川島建太郎 1 「私」による写真論 2 『失われた時を求めて』――物語構造 3 『告白』――母の死 4 「プンクトゥム」と愛と死と 5 ディオニュソス的狂気 6 光のなかへ 光の記憶 千葉文夫 1 きょうの天気 2 光を見ること 3 写真の光 第3章 『明るい部屋』の真実 現前という狂気――ロラン・バルト『明るい部屋』再読 梅木達郎 1 問題の所在 2 トートロジーの論理と探求の行方 3 前言撤回と全体の構成 4 現実と真実――写真の構造と指示対象 5 指示対象と狂った現実 6 写真あるいは現前の誇張法――結びにかえて 写真と実在、そして真実――ロラン・バルトによる写真の実在論 岡本源太 第4章 『明るい部屋』の外 蝶の採集 城殿智行 1 「標本」の特殊性 2 知らせること 3 「採集者」「標本」「観客」 4 《ある晩……》 5 分類しがたい「標本」 6 欲望をかきたてること 7 「ストゥディウム」 8 悟り(傍点2字) 9 不意に捉えること 10 採集される人 11 平板な死 12 ポーズ 13 鷹揚な精神分析 14 「まなざし」 15 分け隔てるもの、「歴史」 16 飼い馴らされた「標本」 17 「私的なもの」/「公的なもの」 18 似ているということ 19 光線、色彩 20 明るい部屋 ベルナール・フォコンとロラン・バルト 竹内万里子 1 「二重の不幸」から 2 エテロロジー、あるいは異種起源学 3 抵抗と構築 第5章 『明るい部屋』の時間 ロラン・バルト『明るい部屋』考察――写真の時間と「狂気」 滝沢明子 1 写真と時間の関係 2 「驚き」をもたらすもの 3 「時間差」と「事後性」 4 写真のなかの死 5 時間からの解放 言語と写真――ロラン・バルトの『明るい部屋』における時間遡行の意義 松本健太郎 1 言語とイメージ 2 写真における“言語の外部” 3 「温室の写真」 4 写真と時間 写真、バルト、時間――『明るい部屋』を読み直す 長谷正人 1 「瞬間」という神話 2 プンクトゥムという時間 3 写真的時間のダイナミクス
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