ウェブ時代の「ハナシ」の伝承ネットロア

ネットロア ウェブ時代の「ハナシ」の伝承

伊藤 龍平 著
四六判 200ページ 並製
定価:2000円+税
ISBN978-4-7872-3398-1 C0036
奥付の初版発行年月:2016年02月/書店発売日:2016年02月20日

在庫あり
「くねくね」「八尺様」「南極のニンゲン」――都市伝説的な奇妙な「ハナシ」は、ネット時代にどう伝承されるのか。「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みと内容の変容を巨大掲示板やSNS、動画共有サイトを事例に解き明かす異色のネット研究書。

版元から一言

「くねくね」、『探偵!ナイトスクープ』の「謎のビニールひも」、「八尺様」、鳥居みゆきと動画共有サイト、『あまちゃん』と奇人、「南極のニンゲン」――怪談や怪奇現象、妖怪、秘境、未確認生物などをめぐる説話は、ネット時代にどのように伝承されているのか。
ネット以前からネット黎明期、そして現在と、ウェブ発達の端境期を体験してきた著者が、「都市伝説」「オカルト」「噂話」などの奇妙な「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みを「2ちゃんねる」などの掲示板を中心に、SNSや動画共有サイトも視野に入れて明らかにする。
ダイヤルアップからADSL、光、そしていまの通信環境へとつながる技術的な発展とともに、「ハナシ」の内容と伝承のスタイルが変容するさまを描き出す。口承文化や文字文化などでの「ハナシ」の伝承を研究する著者が、ウェブ時代の「都市伝説的なもの」の流通・受容を解き明かす異色のネット研究書。

著者プロフィール

伊藤 龍平(イトウ リョウヘイ)

1972年、北海道生まれ。台湾・南台科技大学教員。専攻は伝承文学。著書に『江戸の俳諧説話』(翰林書房)、『ツチノコの民俗学』『江戸幻獣博物誌』、共著に『現代台湾鬼譚』(いずれも青弓社)、編著に『福島県田村郡 都路村説話集』(私家版)、共訳に『棗と石榴』(国書刊行会)など。

目次

序 説話(ルビ:はなし)とコミュニケーション

第1章 ネットロア「くねくね」と電承体について
 1 ネット時代の世間話
 2 スクロールされる話
 3 「2ちゃんねる」という世間
 4 ネット上のフィールドワーカーとテンプレ

第2章 再び「くねくね」と電承体について
 1 明滅する電承体
 2 電承体の「地域」差
 3 ビリーバーとリサーチャー
 4 ロム組と、透明な「送り手」

第3章 『探偵!ナイトスクープ』の「謎のビニールひも」について
 1 真相を求めるネット住人
 2 テレビの一回性と噂
 3 技術の発達史とネットロア
 4 万華鏡的伝承世界

第4章 「八尺様」とネットの身体について
 1 視線に基づく怪談
 2 体験談の人称――口承・書承・電承
 3 文字電承から音声電承、動画電承へ
 4 ネットの身体と怪異表現

第5章 鳥居みゆきの黒い笑いについて
 1 狂気と死の笑い
 2 コント動画の観客
 3 ネット有名人の横顔
 4 表舞台の地下芸人

第6章 『あまちゃん』がいる「郷土」について
 1 偽史と「郷土」とアイドル
 2 奇人と逸話
 3 ネットのなかの「郷土」
 4 震災とノスタルジア

第7章 「南極のニンゲン」とネット時代の「秘境」について
 1 「2ちゃんねる」で生まれた未確認生物
 2 海洋奇談と怪獣たち
 3 「鮫島事件」と、ドラえもんの「タレント」
 4 ネットロアと都市伝説

初出一覧

あとがき