青弓社ライブラリー 84
社会一般
宮入 恭平(編著)
四六判 236ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3383-7 C0336 在庫あり
奥付の初版発行年月 2015年02月 書店発売日 2015年02月26日 登録日 2015年01月23日
日本の発表会の起源を江戸から現在までたどり、習い事や合唱、ライブハウス、公募展、学校制度、教育行政、公共ホール、アメリカとの比較といった事例を検証して、アマチュアによる表現活動の多様性と魅力、それを支える仕組み、問題点を浮かび上がらせる。
はじめに 宮入恭平 第1章 発表会の歴史 薗田碩哉/歌川光一 1 「発表」することの起源――限界芸術論の視点から 2 原型としての江戸遊芸――たしなみと趣味の日常化 3 西欧化と遊芸の変容――発表会という新スタイル 4 発表会を支える仕組み――制度・舞台・近代 5 芸術・芸能の発表会とは何か 第2章 習い事産業と発表会 佐藤生実 1 私的な発表会体験から 2 子どもの習い事の実際 3 大人の習い事ブーム 4 発表会よ、どこへいく 第3章 社会教育・生涯学習行政と地域アマチュア芸術文化活動 歌川光一 1 地域アマチュア芸術文化活動はどこでおこなわれているのか 2 地域アマチュア芸術文化活動を管轄する行政とは? 3 地域アマチュア芸術文化活動と行政の実際 4 地域アマチュア芸術文化活動は社会教育・生涯学習行政の宿痾か? 第4章 学校教育と発表会 宮入恭平 1 部活動の夏合宿 2 軽音楽部と『けいおん!』ブーム 3 健全な部活動としてのロック 4 物語を必要とする部活動 5 競争と共同のあいだで 6 発表会を内面化させる装置 第5章 発表会が照らす公共ホールの役割 氏原茂将 1 公共ホールとはなにか 2 「芸術創造の場」という理念 3 貸館という実態 4 市民文化の創造拠点――もう一つの理念を考える 5 公共ホールを使いこなすために 6 「市民のための空間」に向けて 第6章 合唱に親しむ人々 薗田碩哉 1 発表会としての「合唱祭」 2 合唱祭の風景を眺める 3 「合唱」をめざす人々 4 西洋音楽の移入と和声へのとまどい 5 合唱の特権性と発表会の必然性 6 「歌うコミュニティー」は可能か 第7章 誰のための公募展 光岡寿郎 1 公募展と公募展像の距離 2 形式化する公募展批判 3 「私」のための公募展 4 公募展批判の裏に隠されてきたこと 第8章 発表会化するライブハウス 宮入恭平 1 ライブハウスを取り巻く文化 2 ノルマ制度が助長する発表会化 3 出演者と観客の関係 4 文化と産業のはざまで 5 ライブハウスに求められるもの 6 発表会との距離をとらえ直すために 第9章 アメリカの発表会 早稲田みな子 1 南カリフォルニアとハワイの「日本」 2 家元制度と発表会 3 アメリカの発表会システム 4 発表会を通じた新しい現象 5 ローカル化される日本の発表会 おわりに 宮入恭平
在庫あり