青弓社ライブラリー 77
社会一般
瀬崎 圭二(著)
四六判 244ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3361-5 C0336 在庫あり
奥付の初版発行年月 2013年08月 書店発売日 2013年08月01日 登録日 2013年06月14日
明治・大正期以降に海水浴が広がるにつれて、海辺は男女の出会いや別れ、恋愛の物語を織り成す空間になっていった。戦後にはアメリカ・湘南・南国などのブームを経て、多様なひと夏の物語を描き続けている。海辺と恋愛の100年にわたる物語をたどる文化史。
はじめに――はじまりとしての海水浴 第1章 物語の発生――夏の海辺と出会い 1 身体への欲望と物語 2 海水浴の快楽 3 「木屑録」の形式 4 正岡子規の「叙事文」 5 江見水蔭『鉄道写真汽車の友』『避暑の友』 6 『海水浴』の物語構造 7 出会いと身体 第2章 明治後期の海辺の物語――口絵と演劇に見るイメージ 1 尾崎紅葉「金色夜叉」 2 熱海の海岸 3 「不如帰」と憂える女性 4 イメージの伝播 5 イメージの延命 第3章 男たちの海辺――文学作品から感性を読む 1 海辺の三角関係 2 「劇」への自己言及 3 須永の手紙 4 島崎藤村『春』の口絵 5 青年たちの海辺 6 「行人」の海辺 7 「こゝろ」の冒頭 8 絆の揺らぎ 第4章 映画・スポーツと〈肉体〉――大正期のまなざし 1 泳ぐ女性 2 男性の肉体 3 男性美 4 〈エクササイズ〉の紹介 5 『アマチユア俱楽部』と「痴人の愛」 6 映画のなかの海辺と肉体 7 肉体を表象する映画 8 女性スポーツとしての水泳 9 まなざしと接近 10 まなざしの振れ幅 第5章 不良から太陽族へ――海辺と〈アメリカ〉 1 海水浴場の不良たち 2 湘南の戦中・戦後 3 「太陽の季節」の商品性 4 映画化の適性 5 肉体表現と海 6 キャスティング 7 流行語としての太陽族 8 湘南イメージの蔓延 第6章 カリフォルニアと南の島――イメージとしての一九八〇年代 1 「POPEYE」の創刊 2 夏のレジャー 3 片岡義男のノスタルジー 4 「メイン・テーマ」 5 鈴木英人の〈アメリカ〉 6 表象としてのリゾート 7 松本隆の歌詞 8 海辺の変容 おわりに――性差の反転と日常 あとがき
在庫あり