戦前・戦後をつなぐ日本食台所に敗戦はなかった

台所に敗戦はなかった 戦前・戦後をつなぐ日本食

魚柄 仁之助 著
A5判 208ページ 並製
定価:1800円+税
ISBN978-4-7872-2061-5 C0021
奥付の初版発行年月:2015年08月/書店発売日:2015年08月07日

在庫あり
家庭の食事を作っていた母親たちは、あるものをおいしく食べる方法に知恵を絞って胃袋を満たしていった。戦前―戦中―戦後の台所事情を雑誌に探り、実際に作って、食べて、レポートする、「食が支えた戦争」。飽食のいま、食糧難が生んだ和食文化を食べる!

版元から一言

戦時中の婦人雑誌の料理コーナーは、少ない配給物資をいかに無駄なく食べ尽くすかという「国策料理」ばかり。玄米1升に水2升を入れてふくらませ、さらに水5合で炊く「楠公炊き」をはじめ、いかにかさを増やすかの戦時色のオンパレード。それは、1945年8月15日の敗戦後も変わらず、むしろもっと深刻な食糧難に突入した。「うどんのコロッケ/パン/プリン」「大麦や米ぬかのコーヒー」「おはぎは里芋」「黒豆で人工ぶどう酒」……。
戦前―戦中―戦後の台所事情を雑誌に探って、「必ず食べてから発言する」がモットーの料理人がレシピどおりに実際に作って、食べて、レポートする「食が支えた戦争」。

著者プロフィール

魚柄 仁之助(ウオツカ ジンノスケ)

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『腸を元気にするレシピ109』(飛鳥新社)、『食ベ物の声を聴け!』(岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』(朝日新聞社)、『うおつか流大人の食育』(合同出版)ほか多数。

目次

はじめに

第1章 すき焼き
 一九二八年の「すき焼き」
 鋤や鍬で本当にすき焼きができるのか
 すき焼きのプロトタイプ
 家庭百科事典の「すき焼き」
 すき焼きとはなんだ?
 大阪からやってきたすき焼き
 すき焼きを語る人々
 変わりすき焼きのいろいろ
 そばすき焼きという最終形態

第2章 サンドイッチ
 サンドイッチが和食になった頃
 和製サンドイッチは米不足が生みの親
 一九三三年(昭和八年)の「ツナサンド」は鰹節
 テリヤキバーガーの先祖はもしかして
 穴子サンド
 和風オープンサンドは海苔トースト
 寿司とサンドイッチ

第3章 うどんとマカロニ
 あべかわはマカロニで
 スパゲティ、マカロニ、麺類珍品集
 マカロニ鍋のいろいろ
 うどんのトマト和え
 そばナポリタン
 マカロニ(西洋うどん)の折り方
 マカロニはご飯のおかず?
 『日々活用お料理辞典』から「マカロニー」の項を開くと……
 うどんで、かりんとう
 うどんで、パン
 うどんで、ビスケット
 うどんで、プリン
 うどんのコロッケ
 うどんのうに焼き

第4章 ねぎま
 「ねぎま鍋」のナゾ
 マグロは赤身か、脂身か
 一九七〇年代からさかのぼる「ねぎま」
 一九六〇年代の「ねぎま」は
 一九五〇年代のねぎま汁をたずねて
 ねぎま――戦時篇
 日本陸軍調理法でのねぎま
 ねぎま鍋の黄金時代
 「ネギ鮪」が「ネギ間」に変わるそのとき
 マグロの脂身は足が早い
 冷蔵庫で下剋上
 一九八〇年代の脂身事情
 一九九〇年代は偽装大トロ時代
 ねぎま鍋の生い立ちから終焉まで

第5章 人工葡萄酒
 葡萄酒の自家醸造は合法?だった
 つくりませう!葡萄酒
 甘味代用の葡萄酒も自家醸造だった
 自家醸造のトマト酒
 人工葡萄酒は黒豆で

第6章 おしるこ&珍スイーツ
 ハイカラさんのバナナ料理
 和食?洋食?不明のバナナ料理の数々
 バナナの皮?
 バタくさい葛湯はピーナッツで
 やまいもでホットケーキ
 おはぎ作りは里芋で
 柿で柿餅、柿団子、ブレッド・プッディング
 梨もどきは海軍のデザートにもなった
 お汁粉の歴史――戦前篇
 お汁粉の歴史――戦後篇
 汁粉は……小麦粉で

第7章 カルピスもどきと代用コーヒー
 まさしくカルピス
 カルピス・のようなもの
 モダンドリンク集
 黒豆コーヒー
 紫蘇コーヒーは熱中症対策か?
 大麦コーヒーは発芽飲料だった
 滋養農村コーヒーのこしらえ方
 米糠コーヒー、米糠油

第8章 玉子チーズ
 質問:玉子からすみって、何ですか?
 玉子チーズは「特許品」ですと?
 玉子チーズの前身は玉子からすみだった
 チーズとからすみはおんなじだった
 玉子チーズのルーツは味噌漬けだった

おわりに