弔い論

弔い論

川村 邦光 著
四六判 360ページ 上製
定価:3000円+税
ISBN978-4-7872-1049-4 C0014
奥付の初版発行年月:2013年02月/書店発売日:2013年02月23日

在庫あり
弔いとはいったい何なのか――。遺影・慰霊碑・墓・短歌などの弔う文化をあげて、子どもの死や戦死者、靖国、東日本大震災などの死者と生者のありように肉薄し、弔いが死者・遺族・弔問者の三者を結び付け、関係性を創造する契機になることを照らし出す。

著者プロフィール

川村 邦光(カワムラ クニミツ)

1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史。著書に『写真で読むニッポンの光景100』『聖戦のイコノグラフィ』『幻視する近代空間』『巫女の民俗学』(いずれも青弓社)、『オトメの行方』『オトメの身体』『オトメの祈り』(いずれも紀伊國屋書店)、『性家族の誕生』(筑摩書房)、『〈民俗の知〉の系譜』(昭和堂)、編著に『憑依の近代とポリティクス』『戦死者のゆくえ』(ともに青弓社)など。

目次

序章 弔い論へ向けて――誰が死者を弔うか
 1 弔いの場から
 2 弔いのプロセスから
 3 亡霊の呼びかけと歓待
 4 弔いの失敗から

第1章 幼子の死と弔い――子どもの近代と生死の諸相から
 1 近代日本での死の諸相
 2 子どもの生と死の前近代
 3 子どもの生と死の近代
 4 幼子の死と親
 5 子どもを亡くした親の語り:1――摂理・犠牲・贖罪としての死
 6 子どもを亡くした親の語り:2――如来の慈悲・善知識としての死
 7 子どもを亡くした親の語り:3――悲痛・悲哀・悲嘆としての死
 8 漱石の弔いの作法

第2章 戦死者の霊と弔い――折口信夫の弔いの作法から
 1 靖国の招魂式に参列する折口
 2 大君は「神としたまふ」
 3 折口が闘った“聖戦”と詩歌

第3章 戦死者の亡霊譚と弔いの視座
 1 戦死者霊の状況とは
 2 遥かな靖国
 3 亡霊となる遺念・遺恨をもつ戦死者群
 4 亡霊と弔いの作法
 5 虐殺された戦死者の亡霊

第4章 亡霊と生き残り、そして未完の弔いへ
 1 亡霊と生き残りの位置
 2 異界としての接触領域
 3 亡霊と生き残りの接触領域
 4 “亡霊的身体”との対面
 5 “亡霊的身体”の語り

終章 亡霊と弔い、そして和解、もしくは逡巡
 1 「諸国一見の僧」と弔い
 2 亡霊と生き残りの偽りの記憶――目取真俊『水滴』から
 3 亡霊と生き残り、弔いの遅延
 4 “遺影の故人史”と大震災

参考文献一覧

あとがき