読解レヴィ=ストロース

読解レヴィ=ストロース

出口 顯 編著
四六判 368ページ 並製
定価:2800円+税
ISBN978-4-7872-1047-0 C0010
奥付の初版発行年月:2011年06月/書店発売日:2011年06月22日

在庫あり
現代思想に一撃を与えたレヴィ=ストロースの思想を私たちはどのように受容し、解釈し、援用してきたのか。導入期から拡散期、そして新しい読解期である現在までの重要論文で思想の核心を提示し、日本のレヴィ=ストロース研究の格闘と影響の軌跡を追体験する。

著者プロフィール

出口 顯(デグチ アキラ)

1957年生まれ。島根大学教授。専攻は文化人類学。著書に『神話論理の思想』(みすず書房)、『レヴィ=ストロース斜め読み』(青弓社)、『臓器は「商品」か』(講談社)、『誕生のジェネオロジー』(世界思想社)、『名前のアルケオロジー』(紀伊國屋書店)。

目次

序章 失われたレヴィ=ストロースの復権

 失われたレヴィ=ストロースの復権 出口 顯
  1 レヴィ=ストロースの日本での紹介の歴史
  2 ブームの終焉
  3 『野生の思考』の読み方
  4 静態的対動態的
  5 所収論文解題

第1章 はじまりと流行の時代

 「構造」の概念 川田順造
  1 構造の定義と方法論上の問題
  2 形態と構造
  3 コミュニケーションの構造
  4 動態としての社会構造
  5 構造の観念の問題点

 歴史と構造 田島節夫

 クロード・レヴィ=ストロース研究――序説 作田 清

第2章 刷新

 レヴィ=ストロースの日没のノオト――《西欧》の啓示 小林康夫

 禁忌と意味生成――レヴィ=ストロースその可能性の中心 小田 亮
  1 タブーの人類学的理論
  2 インセスト・タブーと主体生成
  3 カオスとコスモスの弁証法批判
  4 マナと権力

 構造主義の社会学的意義について――レヴィ=ストロースの思想と認識論を通して 佐藤康行
  1 「歴史」と「構造」
  2 認識論の思想的背景
  3 構造主義の社会学的意義

 交換理論の形態と論理――有賀喜左衞門とレヴィ=ストロースの交換理論を比較して 佐藤康行
  1 マルセル・モースの交換理論
  2 レヴィ=ストロースの交換理論
  3 有賀社会学における交換理論の形成
  4 有賀社会学における交換理論の展開
  5 有賀の交換理論とレヴィ=ストロースの交換理論との比較

 レヴィ=ストロースの〈イエ〉(maison/house)概念普遍化の有効性について 仲川裕里
  1 〈イエ〉概念の提示
  2 〈イエ〉社会の諸事例

第3章 新しいレヴィ=ストロース像に向かって

 もうひとつの豊かさの思考――レヴィ=ストロース生誕百年シンポジウムに向けて 渡辺公三

 構造でシステムを飼い慣らすということ 小田 亮
  1 変化に抗する野生の思考
  2 「真正性の水準」と普遍性―単独性/一般性―特殊性
  3 ブリコラージュによる普遍性―単独性への転換
  4 システムを飼い慣らすということ

 幼い娘がしてくれた構造人類学のレッスン――レヴィ=ストロースの贈り物 小馬 徹
  1 最良のフィールドワーカー
  2 一歳七カ月の娘がくれた年賀状
  3 構造主義のレッスン
  4 幼稚園のトーテミズム

 仮面の声 出口 顯
  1 スワイフウェ、ゾノクワ、クウェクウェ、銅
  2 石器時代のグローバリゼーション
  3 ブリコラージュの拘束性
  4 内と外の裏返し、褶曲、襞
  5 裏返しされた適正な距離

第4章 ブックガイド

 構造主義とは何だったのか――『仮面の道』 渡邊一民
  1 “普遍的人間”神話の破産
  2 人間中心の思考に懐疑

 双子であることの不可能性――レヴィ=ストロースの新著『大山猫の物語』から 渡辺公三

 相対主義の彼方、あるいは真の価値の見出し難さ――『みる きく よむ』 伊藤氏貴

 感覚的な神話学――『生のものと火を通したもの』 蜂飼 耳

 人類学者は諸芸術をいかにブリッジしたか――『みる きく よむ』 三浦 篤