学校経営と学校図書館

学校図書館学 1
学校経営と学校図書館

大串 夏身 監修, 渡邊 重夫 著
A5判 202ページ 並製
定価:1800円+税
ISBN978-4-7872-0055-6 C0300
奥付の初版発行年月:2015年07月/書店発売日:2015年07月10日

在庫あり
司書教諭や学校司書をはじめとする学校図書館を担う「人」の問題、子どもの学習と読書を支える学校図書館の存在意義、敗戦直後から経済成長期を経て高度情報化した現在までの学校図書館機能の変遷をわかりやすく解説し、学校図書館のより深い理解を促す。

版元から一言

新しい学習指導要領や学校図書館法の改正によって、学校図書館への期待がこれまで以上に高まっている。子どもたちの言語能力や探求心を育てるために、学校図書館がもつ役割に注目が集まっているのだ。
本書(シリーズ第1巻)は、未来を創造する子どもたちの学習・成長を支えるために、学校図書館がもつ大きな意義を見つめ直し、かかえている課題を検証する。
学校図書館の基本的な理念、読書を支援する方法、情報へのリテラシーを高める場としての機能――基礎から応用までをわかりやすく解説する。現職の司書教諭、司書教諭を目指す学生や社会人、教員、教育関係者はもちろん、地域の人々にも学びの機会を提供する好適なテキスト。

著者プロフィール

大串 夏身(オオグシ ナツミ)

1948年、東京都生まれ。昭和女子大学人間社会学部特任教授。日本図書館情報学会、日本学校図書館学会などの会員。著書に『調べるって楽しい!』『これからの図書館・増補版』(ともに青弓社)、共著に『図書館概論』(学文社)など多数。

渡邊 重夫(ワタナベ シゲオ)

1943年、北海道生まれ。北海道学芸大学(現・北海道教育大学)札幌分校卒業。日本図書館学会賞受賞(1990年)。藤女子大学教授を経て、現在は北海道教育大学学校・地域教育研究センター共同研究員、北海学園大学などで非常勤講師、日本図書館情報学会会員、日本図書館研究会会員。著書に『学校図書館の対話力』『司書教諭という仕事』『図書館の自由を考える』『子どもの権利と学校図書館』『図書館の自由と知る権利』(いずれも青弓社)、『学校図書館の力』『学校図書館概論』(ともに勉誠出版)、『学習指導と学校図書館』『司書教諭のための学校経営と学校図書館』(ともに学文社)。

目次

はじめに

第1章 「人」の力は、学校図書館の力――「学び」を支援し、「育ち」を支える
 1 図書館を構成する三要素――「資料」「施設・設備」「人」
  1-1 学校図書館の「印象、利用体験」――学生の話から
  1-2 「資料」「施設・設備」
  1-3 「供給は需要を創る」――「人」の重要性
 2 司書教諭の創設とその資格、職務
  2-1 司書教諭の創設
  2-2 「配置猶予」規定の撤廃運動
  2-3 「配置猶予」規定の原則撤廃
  2-4 司書教諭の資格取得
  2-5 講習規程(省令)
 3 司書教諭の職務
  3-1 司書教諭の職務
  3-2 学校図書館の「中核的」存在としての司書教諭
 4 学校司書の法制化、その役割・職務
  4-1 学校司書の配置
  4-2 学校司書の法制化
  4-3 「協力者会議報告」――学校司書の役割・職務
  4-4 学校図書館での「協働関係」
  4-5 「協力者会議報告」――学校司書に求められる資質能力
 5 学校図書館にかかわる「人」
  5-1 係り教諭
  5-2 学校図書館ボランティア
  5-3 図書委員会顧問
  5-4 学級担任、教科担任
  5-5 図書館主任
  5-6 学校管理者
  5-7 教育委員会

第2章 学校図書館法とは――「単独立法」に込められた意義と内容
 1 学校図書館の誕生
  1-1 戦前の学校図書館
  1-2 学校図書館に関する法規――学校教育法施行規則
  1-3 『学校図書館の手引』に見る学校図書館観
  1-4 「学校図書館基準」と全国SLAの結成
 2 学校図書館法の内容
  2-1 学校図書館法の成立まで
  2-2 学校図書館法の内容
  2-3 学校図書館法の意義と課題

第3章 学校図書館の役割を考える――学校図書館法の「目的」規定をもとに
 1 「教育課程の展開」に寄与する
  1-1 学校図書館の固有性――「教育課程の展開」への寄与
  1-2 教育課程の編成
  1-3 教育課程の「展開に寄与」する
  1-4 「教材」としての図書館資料
  1-5 「学習材」としての図書館資料
 2 「児童生徒の健全な教養を育成する」
  2-1 「児童生徒の健全な教養を育成する」の意義
  2-2 読書と教養――「教養」概念を考える
  2-3 『何をどう読ませるか』
  2-4 「読書、人類が獲得した文化」――「文化審議会答申」
  2-5 「言語活動の充実」、さらなる読書領域の拡大
  2-6 読書環境の整備と学校図書館

第4章 豊かな想像力、自己形成、そして楽しみ――子どもの読書を支援する学校図書館
 1 読書は、子どもを育てる
  1-1 読書は子どもの「栄養素」
  1-2 「ブックスタート」
  1-3 「「読書活動」とその影響に関する調査」;1――「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究」
  1-4 「「読書活動」とその影響に関する調査」;2――「学校読書調査」
  1-5 日本の子どもの「自己肯定感」――2つの調査結果
 2 読書の意義
  2-1 「文字・活字」の重要性、そして読書への期待
  2-2 読書と言葉の循環関係
  2-3 読書と想像力
  2-4 読書と自立性
  2-5 読書と情報獲得
  2-6 楽しみとしての読書
  2-7 民主主義の母体としての読書
 3 読書環境の整備
  3-1 子どもの読書の変化
  3-2 選書とかかわって――「良書」「適書」
  3-3 選書の際の留意点

第5章 時代と教育、そして学校図書館――学校図書館機能の変遷から学校図書館を考える
 1 「新教育」と学校図書館
  1-1 学校教育と学校図書館の不可分性
  1-2 治安立法、国定教科書――国民思想の統制
  1-3 新教育――「自ら考え自ら判断」
  1-4 「学校の心臓部」としての学校図書館
 2 「経済成長」と学校図書館
  2-1 経済成長を支える人材育成
  2-2 「資料センター」「教材センター」論の登場
  2-3 構想と逆方向を向いていた改訂
 3 「生きる力」と学校図書館
  3-1 成長神話の崩壊
  3-2 「自ら考える力」「生きる力」
  3-3 学習センターの登場

第6章 「情報」と「学び」を結ぶ――「学習・情報センター」としての学校図書館
 1 学習・情報センター
  1-1 「学校図書館の充実」に期待(細川首相)
  1-2 学習・情報センターとしての学校図書館
 2 学習・情報センターを支える――「学び方を学ぶ」:「利用指導」概念の変遷
  2-1 情報とかかわった利用指導
  2-2 「学び方を学ぶ」――「学習方法の民主主義」
  2-3 「学び方を学ぶ」――2つの文献
  2-4 「学び方を学ぶ」ための体系表
  2-5 学習・情報センターの可能性