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総力戦と音楽文化
音と声の戦争

総力戦と音楽文化の書影 戸ノ下達也●編著
長木誠司●編著

A5判 234ページ 上製
定価3,400円+税 2008年10月 発行 在庫あり
ISBN978-4-7872-2030-1
冊 

 

▼紹介

総力戦体制下の日本で人々は音楽をどのように受容し、メディアはそれをどのように支えていたのか。映画やラジオと音楽の関係、厚生音楽運動、占領地域での音楽普及工作、音感教育の実相などに光を当てて、音と声の戦争を多面的に浮き彫りにする。

▼目次

はじめに 戸ノ下達也

序章 「戦争・メディア・音楽」のまなざし 戸ノ下達也
 1 近代日本の「音楽文化」研究の状況
 2 「音楽文化」へのまなざし
 3 音楽文化論探究における三つの論点

第1部 音楽の総力戦

第1章 十五年戦争期の「国民音楽」 高岡裕之
 1 戦時期文化研究の変容
 2 新体制と国民音楽論
 3 厚生音楽と国民音楽

第2章 流行歌と映画 古川隆久
 1 流行歌にとっての映画
 2 映画と音楽の普及動向
 3 映画主題歌と流行歌の関係
 4 ヒット作と統制の強化――『愛染かつら』以後

第3章 南方占領地域での日本による音楽普及工作 長木誠司
 1 日本語教育の一助としての音楽の使用
 2 占領地域の音楽活性化
 3 フィリピンでの音楽文化工作
 4 宗教音楽を通した宣撫活動

第2部 音楽の諸相

第4章 日本人作曲家の「日本的」作曲――一九三〇年代の創作理念 熊沢彩子
 1 初期の作曲界
 2 転換期の作曲界
 3 「国民音楽」論の展開
 4 「日本的作曲」論
 5 「日本的作曲」の実情――チェレプニンを中心に

第5章 国際文化振興会の対外文化事業――芸能・音楽を用いた事業に注目して 酒井健太郎
 1 組織と事業の概観
 2 伝統芸能・西洋音楽を使った事業の内容
 3 KBSにおける近代性とナショナリズム

第6章 戦争と音感の社会史――国民学校と盲教育界を事例として 上田誠二
 1 音感教育の導入過程
 2 国民学校における音感教育の実践と展開――神奈川県中郡大磯町を中心に
 3 盲教育界における音感教育の実践と防空監視への動員

第7章 ラジオ時代の洋楽文化――洋楽番組の形成過程と制作者の思想を中心に 武田康孝
 1 放送開始から機構改革(一九三四年)までの洋楽番組
 2 機構改革(一九三四年)から太平洋戦争開始(一九四一年)までの洋楽番組
 3 太平洋戦争期から戦後占領期の洋楽番組

おわりに 長木誠司

索引

▼著者プロフィール

戸ノ下 達也(トノシタ タツヤ)●編著…1963年、東京都生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。洋楽文化史研究会代表幹事。専攻は近代日本音楽史。著書に『音楽を動員せよ』(青弓社)、『戦時下音楽界の再編統合』(音楽の世界社)、共著に『クラシック音楽の政治学』(青弓社)、『文化とファシズム』(日本経済評論社)など。
長木 誠司(チョウキ セイジ)●編著…1958年、福岡県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は表象文化論、音楽学。著書に『前衛音楽の漂流者たち』(筑摩書房)、『フェッルッチョ・ブゾーニ オペラの未来』(みすず書房)、『グスタフ・マーラー全作品解説事典』(立風書房)、『第三帝国と音楽家たち』(音楽之友社)など。