森 佳子(著)
四六判 216ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-7157-0 C0073 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2002年08月 書店発売日 2002年08月02日 登録日 2010年02月18日
オペラといえば涙にくれる悲恋もの、と悲劇の美学に傾きがちだが、歓喜にあふれた笑い、滑稽な笑い、あるいは悪魔的な冷笑をテーマにした喜劇もおもしろいものが多い。笑いによるカタルシス、躍動感に導かれる快楽と解放感を楽しむための手際のいい入門書。
プロローグ 第1幕 笑いの世界 1 芸術と笑い 笑いとは 舞台芸術の笑い オペラの笑いの本質 2 悲劇と喜劇の比較論 悲劇と喜劇、どちらを選ぶ? 正歌劇と喜歌劇の違いって? 喜劇オペラのなりたち オペレッタの誕生 3 笑いを表現する音楽とは? 音楽が表現するもの 音楽と笑い 音楽のユーモア 第2幕 喜劇オペラ作品探訪 1 どんなものから聴いたらいいの? 喜劇オペラを観に行こう! 2 初級篇 明るく素朴な笑いと喜びのためのおすすめ作品 おなじみ! 十九世紀イタリア・オペラ・ブッファの頂点──ロッシーニ『セビリアの理髪師』 ウィーン・オペレッタの真髄──ヨハン・シュトラウス二世『こうもり』 ドイツの精神的喜劇──ヴァーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 うれしくて泣き笑いのオペラ──トマ『ミニヨン』 3 中級篇 一段階進んだ、ちょっと意味深な笑いのためのおすすめ作品 喜劇オペラの実験室──リュリ『町人貴族』 シャルパンティエ『気で病む男』 喜劇になった悲劇?──ヘンデル『アグリッピナ』 歌芝居、ハッピーエンドの背後は完全なる神の世界──モーツァルト『魔笛』 4 上級篇 芸術的深遠さに達した笑いのためのおすすめ作品 イロニーに満ちたグロテスクな世界──オッフェンバック『ホフマン物語』 シュールな世界──プーランク『ティレジアスの乳房』 二十世紀オペラはどこへ向かったか?──ブリテン『アルバート・ヘリング』 5 番外篇 喜劇オペラとは呼ばれないけれど…… 喜劇ではないが、冷笑を含んだオペラ──グノー『ファウスト』 チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』 第3幕 喜劇オペラの作曲家一覧──バロックから二十世紀まで 一八〇〇年以前 十九世紀 二十世紀 エピローグ──日本人のための鑑賞の手引き あとがき 作品一覧
青弓社
品切れ・重版未定